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ラ・リーガ 名将のコラム

香川真司よ、新天地サラゴサでサラゴサになれ!

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cristinamacia / Pixabay

勝ち続けることへの虚無感

FIFAをぶっ壊す(ニッコリ)!

サラゴサにとってはクリスマスと正月と盆がまとめて訪れたような気分だろう。

スペイン2部レアル・サラゴサが現地時間9日、日本代表MF香川真司の移籍でドルトムントと合意したことを発表した。その後、香川も自身の公式ツイッターを更新し、スペイン語で「レアル・サラゴサに加入できてとても嬉しいです。1部に戻るために戦います!!」と喜びと決意を綴った。

(Football ZONE web編集部)

スペイン2部で、しかも昨季は15位に沈んだ弱小クラブが、ブンデス、プレミアの2冠王者で、ワールドカップでは日本を16強に導いたワールド・オブ・クラスの香川真司を獲得できるなどとは、夢物語に近い快挙だ。

サラゴサの経営陣がどんなマジックを繰り出したのかは興味のあるところだが、しかし今回の移籍に関しては香川サイドからのアプローチだったというのが私の見立てだ。

その実績とクオリティーを考えれば4大リーグの名門からも引く手あまただったはずの香川だが、もうビッグ・オブ・クラブで他クラブを蹂躙することには虚無感を覚えていたと考えられる。

そんなある種の燃え尽き症候群にかかっていた時に、彼はひらめいたのだろう。弱小クラブに身を転じ、そしてそのクラブを常勝軍団に引き上げよう。それを残りのフッボル人生の指針にしようと。

日本人キラーに学べ

ただ私は香川に忠告しておきたい。スペインの2部は他国のそれに比べ遙かにレベルが高く混沌とし、新参者にとっては敷居が高いことを。いくら名手香川と言えど、もう30歳だ。胡坐をかいているだけではスペインフッボルの深みに足を取られてしまうだろう。

そこで私は香川に参考にして欲しい選手がいる。それが以下の動画における緑のトランクスの選手だ。

そう、ボクシングの元世界2階級制覇王者のダニエル・サラゴサだ。

日本では畑中清詞からタイトルを奪い、辰吉丈一郎の2度にわたる挑戦を退けた日本人キラーとして人々の記憶に刻まれている。

40歳手前の年老いたサラゴサが、若く獰猛な辰吉を老練な技術でいなし完勝した姿は、スポーツにおける年齢が、建前やエクスキューズでしかないことを世に知らしめた。

奇しくもサラゴサという名は香川の新天地のクラブ名と重なっている。是非とも香川にはボクサー・サラゴサの熟成したワインのような在り方に学んで、サラゴサにおけるサラゴサになってもらいたい。

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