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Jリーグ 名将のマッチレポート

名将が斬るジュビロ磐田の劇的敗戦 ビジャの神戸入団が及ぼした影響とは?

更新日:

ボンジョージ・ルーカス、諸君。

おっとジョージ・オブ・ルーカスはフッボル界には関係のない人物だったね、フフフ。それにしてもJリーグとは実にエキサイティングなリーグだ。これほどトップとボトムとの戦力差がないリーグも世界には珍しい。今季に限っては川崎フロンターレが頭一つ抜けた形になったが、代わりに降格争いは熾烈を極め、センシューラク(千秋楽。氏は相撲にも造詣がある)を前にして降格争いの対象5チームが勝ち点差2の中にひしめき合う、まさにミルフィーユのような構造となっていた。

磐田の敗因の9割は心理的要素?

結果的にはジュビロ磐田が劇的なオウンゴールで降格争いを制し、プレーオフの入れ替え戦へ回ることになったが、劇的とは言ってもそこには必ず原因があり、「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」とは私の心の師(野村克也。野村のこの言葉も肥前国第9代平戸藩主、松浦清の随筆『甲子夜話』からの引用である)の言葉だ。磐田がチームとして今回の敗戦をどのような要因でもって受け止めているかは知らないが、私のプロファイリングでは技術的または戦術的要因が1割、心理的要因が9割との結果が出ている。

心理的な要因がここまでの割合で敗因の多くを占めることはプロチームではあり得ないと諸君らは思うかもしれない。そう、普通ならあり得ない話だ。しかし今節は降格争いを決する最終戦な上、試合中にもう一つ彼らにとってマイナスに作用してしまった大きなニュースが飛び込んできた。それがビジャのヴィッセル神戸入団だ。

磐田とビジャ。一体そこにどういった関連性があるのかはピッチ上に表れた現象だけを注視していては解き明かすことはできないだろう。それを解明するためには過去にも言及したように木ではなく森を見ること、つまりマニア・オブ・ビューが必要となる。私のレポートを貪り読んできた諸君らの視点も少しはマニアびてきただろうから、ここまでの叙述をヒントに自らのプロファイリングを立て、試しに以下の私の解説と照らし合わせて楽しんでもらいたい。

俊輔がもたらしたスペインサッカーの功罪

森を見るためにはまず、現在の磐田の象徴でありリーダーでもあるシュンスキ・ナカミューラ(中村俊輔)について言及をしなければならない。中村は日本ではキング・オブ・カズに次ぐミューラの代表的存在だが、世界においてもセルティックのエースとして、そのレッグ・オブ・レフト(左足)を武器にその名を轟かせた。その中村はセルティックでの4年間にわたる王様の地位を投げ捨て、リーガ・オブ・エスパニョーラのエスパニョールに一兵卒としての移籍を決意した。なぜなら、彼はスペインフッボルに大きな憧憬を抱いていたからだ。

結果的に中村はエスパニョールを半年で去ることになったが、日本に帰ってからも自分が肌で感じたスペインフッボルの魅力をチームメイトにとくとくと語っていたはずだ。その影響を受けたであろう現在の磐田の選手らもスペインフッボルという魔力に取りつかれ、好きな食べ物でさえもパエリアと答えるようになっていたと思われる。

そんなスペイン狂の彼らに最終節川崎戦のハーフタイムに知らされたのが、ビジャの神戸電撃入団だ。これで神戸はビジャとイニエスタ、あの世界に君臨した全盛期のスペイン代表2人が揃い踏むことになった。そこで磐田の選手らは思ったはずだ。「来季も彼らがいる神戸と必ず同じ舞台に立ちたい」。ハーフタイムの時点では依然0-0で、このまま引き分けても残留となるが、しかしまだ綱の上を渡っているような危うい状況にあった。彼らは「ドロー狙いという逃げ腰ではダメだ。スペインのレジェンドと戦うためには後半に攻めていかなければない」と奮い立ったに違いない。確かにこの時点ではビジャのビッグ・オブ・ニュースは彼らにとっては追い風となっていた。

ビジャの神戸入団で選手らの内面が不安定に

そして後半が始まり、その時がやってきた。33分、中村に代わって入った松本のクロスに大久保が頭で合わせ均衡を破る。「これでレジェンドに会える」。磐田の選手らは歓喜に沸き立ったことだろう。他会場の状況からもこれで磐田が降格する可能性は急速に萎んでいった。しかし、これが逆に落とし穴となってしまった。まだ残留が確定していないにもかかわらず、彼らの頭の中は来季に飛んでいた。「神戸との試合後、他の選手らをいかに出し抜き、どのようにして自分がビジャやイニエスタとユニホームを交換すればいいのか」と、トラヌタヌキノカワザンヨー(捕らぬ狸の皮算用)を始め、完全に緊張の糸を切らしてしまったのだ。

するとどうだ。4分後にCKから川崎の奈良に決められると一転、磐田はパニック状態に陥ってしまう。「もう1点取られると、レジェンドの姿が遠のいていく……」という状況が彼らの体と心を硬直させ、そしてアディショナル・オブ・タイム、大井が緊張からくる体の強張りで足首を返せず相手のクロスを自陣のゴールに突き刺してしまった。その瞬間、ベンチにいた中村の呟きを私の読唇術チームが解読していた。「スペイン……」

必然だった磐田のJ1参入プレーオフ

一見劇的で偶然性が高いような結末にも、このようにピッチ外の出来事にも広く目を移し、森を俯瞰するようにプロファイリングをすれば、磐田の入れ替え戦は必然だったということがわかるだろう。さて諸君らが組み立てた独自のプロファイリングの結果はどうだったかな。私のプロファイリングと重ならなかったといっても失望する必要はない。マニア・オブ・ビューはイッチョーイッセキ(一朝一夕)で養われるものではなく、日々の研鑽がものを言うからだ。これからも私のレポートを熟読し、そのビューを磨いてほしいと思う。

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