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名将から『Dear KAZU 僕を育てた56通目の手紙』

更新日:

ボンジョールノ、諸君。

アジアカップが始まって以来どうもアジアカップばかりに目がいきがちになってしまう。私の直近5つのレポートを眺めてみても、『ZOZOTOWN』の前澤社長との確執を描いた1本を除いては全てアジアカップに言及したものだ。

私らしくもなく目先のアジアカップという木に囚われ過ぎて、森を俯瞰するように世界規模でフッボル界を眺める作業、つまりマニア・オブ・ビューをすっかり怠っていた。そのために去る11日に発表された、キング・オブ・カズこと三浦知良が51歳にして所属するJ2横浜FCと来季の新契約を結んだというビッグ・オブ・ニュースを完全にスルーしてしまった。

アジアカップのプロファイリングに忙殺されていたことには間違いないが、決してそれを言い訳にすることはできない。

考えてみてくれ、どこに年末の「大谷翔平、ホテルで美女と密会!?」スクープに触れないベース・オブ・ボール評論家がいるだろうか。世界のフッボル評論家にとって業界の人間国宝とも言うべきカズの一挙手一投足に言及しないことはそれほどの失態なのだ。

そのような反省と最大級の敬意とを込め、私はここにカズに宛てた手紙をしたためたい。

Dear KAZU

君はまだ君自身の偉大さに気付いてはいない。

君は今年で52歳になる。52歳という年齢に君はどういった感慨を抱いているだろうか。君は少年時代からひたすら走り続け、休むことなく自律と節制を心掛けてきたために年齢と体の相関については我々ほどに敏感でないのかもしれない。しかし考えてみてほしい。52という数字を。四捨五入すれば……そう、100だ。大別すれば、君は赤ちゃんよりも金さん銀さんに近い年齢なのだ。

金さん銀さん寄りの人間が現役のフッボル選手としてピッチに躍動しているその光景を、我々の時代ではよもや夢想だにすることができなかった。フッボル界には過去に様々な伝説的なプレーヤーがいた。ペレ、ジョージ・ベスト、クライフ、ベッケンバウアー、マラドーナ、プラティニ、ファン・バステン、ロベルト・バッジョ、ロナウド、ジダン……。しかしその誰もが今君が踏んでいるその地に到達した者はいない。

かく言う私も20代後半という若さで現役を退いただけに、君が自身に課しているであろう不断の鍛錬を思えば、それだけでも私の脳と体は筋肉痛になってしまう。私が52だった頃を思い返してみると、下着をトランクスからブリーフへと回帰させた頃だったように記憶している。ボクサーパンツという選択肢もあったが、私にはボクサーではなくフッボラーだという矜持があったため断固固辞した。

おっと申し遅れた。私は現役、OB、国籍を問わず幅広くフッボラーとは交流を持っているが君との面識はまだなかったね。故にここまで読んできても「ダレヤーネン!」という疑問がつきまとっていたことだろうが、簡単に言えば君に魅せられたマニアの一人であり、また「キング・オブ・カズ」を世界で初めて口にしたと噂されている人間でもある。詳しい話は以下にリンクをつけたのでそちらを参照してくれ。

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君は日本フッボル界におけるパイオニアだ。フッボル不毛の地であった日本から若くして王国ブラジルに渡り、そこで見事プロ契約をも勝ち取った。そのままレベルの高いブラジルで個を研鑽できる状況にあったにも拘わらず、日本のフッボル界を底上げし、初のワールドカップ(W杯)出場へと導くために君は日本へ戻ってきた。何という公を持った人間であろうか。

ちょうど日本ではプロ化の兆しもあり、帰国した3年後の93年にJリーグ開幕。そこで華々しく活躍し、日本代表でもエースとして君臨。ドーハでは涙をのんだものの、98年のフランスワールドカップ予選では見事本大会出場に貢献した。しかし、大会直前の合宿地で、

2010062702002

「外れるのはカズ、キング・オブ・カズ」

という岡ちゃんの迷言が炸裂し、悲願のW杯出場はならなかった。

その後、日本は6大会連続でW杯に出場するが、予選も含めそこに一度も君の姿を見ることはなかった。日の丸が翻ったスタジアムで君の姿がないことに私は今も違和感を拭えないでいる。それは漫画『俺たちのフィールド』で君をモデルにしたキャラクターが一瞬登場したが、それ以降は一度もそのキャラが姿を現わさなかったあの妙な現象を思い起こさせるのだ(画像を参照。「俺たちのフィールド」9巻より)

君の後にたくさんの日本人選手が海を渡り、またワールドカップにも出場した。しかし私は未だ君以上の日本人プレーヤーにお目にかかったことがない。そうだろう? 君以外の日本人で誰がゴール・オブ・セレブレーションで不可思議なダンスを踊った後に自身のイチモツを握ってサマになる選手がいるというのか? 想像してくれ、中田が、本田が、香川がカズダンスをかましている情景を。それはもはや痛々しいまでの放送事故だ。

もしかすると私は君以上に君のW杯出場を願っているのかもしれない。いや、それはいささか傲慢な表現だった。君以上にW杯というものを常に見据えている人間は世界中に誰もいない。そして、そのビジョンを私はいつまでも支持したいと思う。ビジョンは人を突き動かし、その可能性をいつまでも人に提示し続ける。壮大なビジョンを持つことに臆病になる必要はない。ビジョンを持っている時点で既に勝者だということを、カズは我々に示し続けている。

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