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名将が語る ブンデスリーガ

香川のベシクタシュでのデビュー戦を名将が読み解く 見るべきはゴールよりもその威厳!

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mucahityildiz / Pixabay

名将が欲するエキス

ボンジョールノ、諸君。

およそ1カ月にわたるアジアカップを初めてじっくりと堪能させてもらったのだが、ファイナルが終わった直後から私の中でどこか消化不良な思いが漂っていた。それが何だったのか、私は今朝のニュースを見て悟ることになった。

[2.3 トルコ1部第20節 アンタルヤスポル2-6ベシクタシュ]

これ以上ないあいさつだ。トルコの強豪・ベシクタシュに活躍の場を移したMF香川真司が、衝撃のデビューを飾った。

本当にファーストタッチだった。ベンチスタートの香川がピッチに立ったのは、時計の針が80分51秒を指した時。そして81分4秒で初めてボールを触ると、そのままドリブルを開始。フェイントを数回入れて鋭く右足を振り抜くと、DFの股の下を抜けたシュートは、ゴール左に吸い込まれていった。この時、時計は81分8秒。デビューから17秒で初ゴールを奪ったことになる。

そしてその2分後には華麗な直接FKを蹴り込む。日本代表の元10番が、ドルトムントでのうっ憤を晴らすかのような完璧なパフォーマンスでトルコでのキャリアをスタートさせた。

(「ゲキサカ」より)

そう、香川真司だ。私の体は香川エキスを欲していたのだ。いくらアジアカップがワールド・オブ・クラスの香川にとっては低次元な大会だったとしても、彼のプレーを咀嚼し味わいたいと願うのはフッボルに携わる者であれば誰もが抱える109個目の煩悩だ。

ドルトムントでは印籠ポジションを確立し、ベンチ外から相手チームに脅威を与えていた彼だったが、やはりフッボル選手ならばピッチ上で躍動したいと思うのは当然だ。今季のドルトムントは香川が印籠、ロイスがトップ下という盤石の体制でリーグを独走しているため、「勝っている間はチームをいじるな」との格言があるように、香川の気分次第でおいそれと印籠ポジションを放棄できるような状況ではなくなっていた。

レンタル移籍で全てが解決

そこで彼は印籠ポジションを維持したままピッチに立つためにはどのような方策があるのかをクラブ首脳と協議したはずだ。そこでレンタル移籍という起死回生の妙案が出てきたのだろう。これならば依然ドルトムントの在籍となるため印籠の威光も失われず、かつ香川自身もレンタル先でピッチに立つことができる。まさに全てを解決する、天から降ってきたようなアイデアだ。

そして現地時間の3日、そのレンタル先であるトルコ1部リーグのベシクタシュで香川は挨拶代わりにとまずは印籠ポジションであるベンチから相手のアンタルヤスポルに圧力を与え続けていた。アンタルヤスポルは「カガワが出てくるまでにはリードしておかないと」との焦燥を抑えることができず、香川が交代で出てくるまでの80分間でもはや平静を失い、致命的な4ゴールを失っていた。

ベンチからの印籠力で既に勝負は決していたのだが、とりあえずの顔見世として香川が満を持してピッチに立つと、アンタルヤスポルイレブンの精神は完全に崩壊した。その証拠に香川の2点目となった直接フリーキックは決して難解な軌道ではなかったのだが、相手GKのメンタルはカーロス・リベラ(『あしたのジョー』のキャラと思われる)のような廃人となっており、理性をもって対応することができなかった。

アジアの未来を見据えた森保監督の英断

確かにこうして香川の凄まじさを再認識すると、アジアカップに彼を呼ばなかった森保監督の判断は正しかったと言える。と言うのも、仮に香川がサムライ・オブ・ブルーに招集されていたならば、日本の戦力だけが突出してしまいアジアカップのゲームバランスが崩れてしまっていたからだ。

そうなるとせっかく現代フッボルが芽吹き出していたアジア諸国を日本が蹂躙する形となり、アジアのフッボル熱が再び冷却化する恐れもあった。そういった意味では日本一国の名誉に固執せず、アジアフッボル界全体の未来をも鑑みて香川を招集しなかった森保監督の英断は称賛に値する。やはり彼のマニア・オブ・ビュー値は相当なレベルにあると言わざるを得ない。

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