優勝へ僅かな光明が差す
ボンジョールノ、諸君。
日本代表が6月に参戦するコパ・アメリカ2019(南米選手権)だが、完全アウェーで苦戦必至の大会に一筋の光明が見えてきた。
日本サッカー協会が、F東京のMF久保建英(17)に対し、A代表が参加する南米選手権(6月・ブラジル)への派遣を打診したことが4日、分かった。協会関係者が認めた。久保を巡ってはU―20日本代表が上位進出を目指すU―20W杯(5月23日開幕・ポーランド)への招集の選択肢もある中で、2020年東京五輪、その先の22年カタールW杯を見据えて、より高いレベルで経験を積ませる狙い。久保はこの日、G大阪戦で先発フル出場。試合は0―0の引き分けに終わった。
(スポーツ報知)
コリカ(コパ・アメリカの略称か)に向けた日本代表の構成は、FIFAの規定により原則今年のアジアカップに出場した選手以外からの選出となる。すなわち辺境の欧州組や国内の選手が中心となるが、その国内組でさえJリーグの開催期間であるということから、各クラブの抵抗もあってベストな布陣を組むことができないと予想される。
そのような状況の中でブラジルに乗り込めば、経験を積むどころか惨憺たる結果に心に傷を負いかねないところだったが、仮にFC東京が派遣を受諾し、久保がコリカに日本代表として殴り込みをかけるとなると、サムライ・オブ・ブルーの優勝の可能性が一気に4倍ほどに跳ね上がる。
久保の代表入りによるデメリット
だからといって日本のコリカ優勝が現実味を帯びてきたかと言えば、そうではない。具体的な数字で示せば、私のプロファイリング・ラボのコパ・アメリカ戦力分析チームの試算に拠れば0.15%から0.6%となっただけで、未だ夢物語の域を出ていない。
さらに分析チームは、皮肉にも久保の参加によるデメリットも弾き出していた。それはチームの平均年齢だ。ただでさえ若手主体になるという観測が強い中、久保がそこに名を連ねればさらにチーム年齢が引き下がってしまう。
このような大きな大会への遠征となれば、チームの平均年齢が低過ぎるとそのパフォーマンスが大きく低下する傾向がある。内面の成熟は年齢に比例し、想定外の事態が多発する異国の地では内面の未熟さが事をより深刻にしてしまうからだ。
例えば街中で誰かがスリに遭えば、その不安がチーム全体に波及し、練習場にも足を運べずホテルに引き籠もってしまう選手も出てくる。だからそうなった時に、「ブラジルじゃままあることだよ。それより死ななくてラッキーだったじゃん、バモラ!」と軽く受け流せる精神的支柱が必要になってくるのだ。
精神的支柱はメンタルキングのあの選手
「そんな選手が国内にいるのかよ」と諸君らは思ったことだろうが、J2に目を向ければその精神的支柱かつ、ブラジルという地のコーディネーターに最適な選手がいることにすぐに気が付くであろう。そう…それは横浜FCの我らがキング・オブ・カズこと三浦の知良だ。
カズにとっては16歳で渡ったブラジルは第二の故郷であり、また彼が日本代表にいるとなればその開催国がホームの地と化す。
1998年に岡ちゃんからワールドカップ代表落選という非情宣告を受けてもなお心が折れず、現在まで現役を続けているカズのそのメンタルたるや、メタルキングならぬメンタルキングと呼ぶにふさわしい。
先に言及した分析チームの解析によると、カズが代表入りをすれば日本の平均年齢はおよそ1~2歳程度底上げされ、その効果によって日本の優勝確立が0.6%から7.1%に爆上げするというデータまである。
カズが数十年の時を超えてブラジルの地に凱旋する瞬間を、私はこの目にしっかりと焼き付けたいと思う。嗚呼、私の脳内に「い~つか~正夢~♪ 君と会~え~たら~♪」が流れてきた。