ニュースの中に世界を読み解くヒント
ボンジョールノ、諸君。
もはやベシクタシュでもエースとしての地位を築きつつある香川真司が、10日に行われたトルコ1部のコンヤスポル戦の終了間際に決勝ゴールを挙げ、チームを劇的勝利に導いた。
その香川について私は過去のレポートで、選手兼任監督として来季のドルトムント復帰を大胆予測したが、ここに来て急転直下、念願のスペイン移籍を果たす可能性も出てきた。
私がその胎動を感じたのが以下のニュース記事である。
ポルトガル人監督ジョゼ・モウリーニョがサンティアゴ・ソラーリの解任後にレアル・マドリーの新監督に就任する可能性がある。メディア『Soy madridista』によれば、モウリーニョは4名の主力選手の放出を条件に、マドリーの指揮を執ることに同意したという。
4名の選手とはセルヒオ・ラモス、マルセロ、カリム・ベンゼマ、ガレス・ベイルである。
6月30日までにマドリーがこれらの選手を売却することをモウリーニョは要求している。同メディアによれば会長はこの要求を受け入れる準備があるという。
(SPORT)
諸君らのほとんどはこの記事に目を通したところで「香川の『か』の字も見当たらないのだが?」と当惑することだろうが、私のレポートを日夜貪り読んできた上級のマニア・オブ・ビューラーならば、そこに何かしらの手掛かりを掴むことができるかもしれない。
これはモウリーニョがレアル監督の就任要請を受けるに当たって4人の放出をその条件にしたというニュースだが、こういった記事を字面や額面通りに受け取っているようではフッボルのミステリーは決して解き明かせない。無造作なニュースの中にも世界を読み解くヒントが必ず隠れている。それを見逃すことなくキャッチすることが、マニア・オブ・ビューラーへの第一歩となる。
では私のマニア・オブ・ビューがどう香川のスペイン移籍を読み解いたのかをここに披露していこう。
放出候補の頭文字を組み合わせると…
結論から言えば、具体的な移籍先はそのまま記事の中身であるレアルということになるのだが、それを強烈に暗示するワードがモウリーニョが放出を希望した4人の名前に散りばめられている。
その暗号の仕組みは香川の日本代表落選の真意を解き明かした時と同様に、名前の頭文字を組み合わせるというものだ。まずは4人の名前から頭文字だけを抽出していこう。
セルヒオ・ラモス、マルセロ、カリム・ベンゼマ、ガレス・ベイル
そして、その抽出した頭文字を並び替えると、
セ、カ、ガ、マル、
となる。さらにここでもうひと手間を加えてみる。
S(セ、SE)、カ、ガ、○(マル)
つまり、
S・カガ○
○の部分を「ワ」とすれば余りにも露骨すぎることから、モウリーニョはあえて伏字を使用するためにマルセロの名を挙げたのだろうが、これは明らかに、
S(シンジ)・カガ○(カガワ)
香川真司
を意味している。
未練を感じているモウリーニョ
実際にモウリーニョは過去のインタビューで、レアルの監督時にドルトムントでリーグ2連覇を飾った香川獲得のために接触をもったと言及している。その時はエジルのバックアップというオファーで香川はマンチェスター・ユナイテッドを選択したが、モウリーニョは未だ香川に未練を感じているようだ。
以上が私が施した高度なマニア・オブ・ビューでの模範解答だが、諸君らの中にもそろそろ私と同じ結論に達する猛者が現れていてもおかしくはない時期なのだが……。