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【巨匠のレビュー】『インシディアス』/悪魔が福本伸行ワールドで全然怖くないぜ

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クスリ漬けのエリカ様に巨匠が熱烈オファー

田代まさしに続いて沢尻エリカも薬で捕まったんだって? いやー続いてなんて言っちゃったけど、そのインパクトを考えれば田代とは比べ物にはならないけどね。夏の甲子園に例えれば9年ぶり5回目の逮捕だった田代はまだ馴染みのある常連校レベルで「あの古豪が復活してきたか」程度だけど、エリカ様の場合は田舎の弱小公立校が地方大会で私学連中をなぎ倒して本戦へ初出場して、その勢いのまま初優勝を決めちゃうくらいの驚きがあるからね。

その昔、勝新さん(勝新太郎)がクスリをやった時に「なんでクスリをやったんですか?」って聞いたら、「おいタケシ、クスリをやらないでどうやってシャブ中の役を演じれるんだ」なんて正論なのかどうなのかよくわかんないことを言ってたけど、エリカ様も聞くところによれば『新宿スワン』という映画でクスリ漬けの風俗嬢役をやってたって言うんだから、もしかすると彼女は勝新さんの演技論をそのまま実践していただけなのかも知んない。

だからエリカ様にはだね、オイラがクスリ漬けのエロ教師を主役にした映画をこしらえておくから、禊が済んだ後には是非ともその作品への出演をお願いしたいね。

話が進むに連れて怖さが減少

ということで本題に入ろう。今回は『インシディアス』という映画なんだけど、これは軍団のこのまんま日立がやたらとオイラに「殿、『IT』というホラーは散々だったそうですけど、このホラーはかなり面白いので、騙された気になって見てください」なんてやたらと推してくるもんだから、暇なついでに例のAmazonプライム・ビデオでちょっくら見てやったら、アイツの言葉の通りに本当に騙されたじゃねーか、バカヤロ! まあ騙されたってのは少し言い過ぎたかも知れないけど、ただ話が進んでいくに連れて怖さが減少していくのは一体どういった了簡だい?

初めはすごく期待したの。ホラーなんて扱う対象が狂人か異生物かゾンビか幽霊に限られているから最近じゃもうほとんどが切り口勝負になっているけど、この映画はその切り口をあまり尖らせず、引っ越し先の屋敷を舞台にじわりとした恐怖を描いていてさ、洒落た変化球ばかりに目が慣れていた中で久しぶりに直球勝負の正統派なホラーを投げ込んで来たんで逆に新鮮だと感心していたら、“彼方(死者)の世界”の住人やら悪魔やらが画面に映り出したところから急に怖さが激減していくんだから。

なんたってこの悪魔が全然怖くない。最後の方ではよくわからないDJブースみたいな所から覗き見してたりして、あの構図からしてもうオイラには福本伸行の漫画『賭博覇王伝 零』の城山小太郎にしか見えなかったもん。

本当に上の画像のような感じで、それまでに積み上げてきた緊迫した空気感をぶっ壊すには十分な造形だったのよ。せっかく緊張感を持って見てたのに「何てことをしてくれるんだ、この福本キャラは!」って頭を抱えちゃったよ。もう少しデザインを工夫できなかったのかね。

まあ監督がそうした手作り感のある古典的なホラーを志向してたのかも知んないけど。タイトルバックからして年代物のホラーのような演出だったし、他に出てきた幽霊だっていかにも古風なホラーメイクで、あの風景と溶け合わないマネキン感が逆に怖さを引き立てる効果もあるんだろうけど、この映画に限ってはどうも中途半端な感は否めなかったね。

ホラー作りとは落語の工夫

しかしホラーってのは1つ間違えるといい意味でも悪い意味でも低俗な印象を与えちゃうから、なかなか難しいよ。それでいて挑戦的に新しい要素を加えないと凡庸で見慣れた作品になってしまう。ホラー映画を作るってことは言ってみれば落語における演者の工夫でさ、定番の演目をやる時には客は中身については知っているから、いかにそこに自分なりの調子やエピソードを肉付けして新しく見せていくかってのが腕の見せ所になるわけで、ホラーというジャンルもさっき言ったようにどうしても狂人やら幽霊やらといった狭い枠組みの中に制限されちゃうから、何とかその中で自分のオリジナリティ(見せ方)を提供して既存にないものを作り上げていくかなんだ。

で、この映画におけるオリジナル性は死者の世界で息子を探すというドラクエ的な裏ダンジョンのミッションがあるところなんだけど、そこでやっていたのが質の悪いただのゾンビアクションだったと言うね。挙句には悪魔とプロレスなんかやっちゃたりして、霊的な相手と取っ組み合いをされちゃさすがに興覚めしちゃうっての。『IT』でもそうだったけど、米国の映画は何かとWWE(米国のプロレス団体)的なアクションを入れたがるんだよな。向こうの観客がそれを望んでいるのかわかんないけど、もっと頭を使った駆け引きを見せて欲しかったよ。

この監督は低予算の知的ホラー『ソウ』を撮った人だから、何か凝ったツイスト(捻り)を決めてくるんだろうなと思って見てたんだけど、その気配が一向になくてさ、いざそのツイストを決めてきたと思ったらもうそこはエピローグで半ば続編への振りだった。

結局はこの一作だけで収める気はなくシリーズ全体を頭に入れていたわけで、鑑賞中に感じていた人物間における関係性の描写不足はそういうことだったのかと合点はついたけど、シリーズ化を念頭に置くにしても、その全体を通した大きな伏線を意識する余りに個別の作品がその干渉を受けて出し惜しみのような印象を与えてしまうのは考えものだね。

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単作でのツイストが欲しかった

この映画における最後のツイストも単作としてはツイストとは言えなくて、厳密には連ドラ的なクリフハンガー(次回への“引き”)だからね。この作品だけで完結し得るもう1つ大きなツイストがあって、その上で最後のシリーズ全体の伏線としてのツイストがあればもっと作品に厚みが出て鑑賞後の印象もグッと変わったとは思うけどね。

自宅内の怪奇現象に対して、紹介されてやって来た2人組のあんちゃんが電磁波の探知機やカメラといった機材を持ち込んでその原因を突き止めようとしたリアルゴースト・バスターズのような科学的な攻め方は割と面白かったし、霊媒師のおばちゃんがガスマスクみたいなのを被って死者の世界と交信していたのは絵としてはシュールだったけど、そうした物質的な機材とホラーという心的な下地のアンサンブルが妙な味わいを出してたから、この辺りまでの物語の展開はなかなかいいなぁとは思ってたんだけど、そこから終盤にかけてのストーリーが余りに素直過ぎて平凡なホラーになってしまったのが残念なところだよ。

ということで何だかこのまんま日立のヤローにすっかり騙された気分になったんで『滝野ファンクラブ』の収録前に楽屋で叱りつけてやったら、「その続編が一番面白いんです」なんてまだ減らず口を叩くもんだからオイラも頭にきちゃって、つい周りの人間に「オイ、刀出せ!」ってヤバいことを口走ってしまったじゃないの。

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