止まらないプロファイリングビンゴ
ボンジョールノ、諸君。
敗北を知りたい……。おっと、すまない。しばし自分のプロファイリングに酔いしれてしまっていたようだ。もうおわかりだと思うが、昨日のアジアカップで日本がウズベキスタンを2―1で下し、グループリーグ首位を決めた一戦のことだ。カズへの讃歌を綴っていた都合で当レポートにおいてプレビュー・オブ・プロファイリングを発表することができなかったが、急ぎ編集者に連絡して試合の直前に私の狙い目をツイッ・オブ・ターにて投稿してもらった。それが以下となる。
【編集者より】
この後10時30分よりアジア杯
日本ーウズベキスタン戦。
名将の予想発表!
日本の「0ー0」「1ー0」「2ー0」「2ー1」「2ー2」「0ー1」「1ー2」「0ー2」との可能性が高いとのことhttps://t.co/goHEcEWclk
#アジアカップ #アジアカップ2019 #サッカー日本代表 #ウズベキスタン— マニア・オブ・フットボール 〜名将からの提言〜 (@93VBDNANCiWvZua) 2019年1月17日
マモノでウズベクにブースト
日本視点でのスコア予想だが、諸君らの目にもしっかりと前から4つ目の「2―1」という値を認めることができるだろう。拮抗した展開が予想された中でも正答を導き出した会心のプロファイリングビンゴだったと言える。その時点では既にスカッドも発表され、その中にはマモノ北川の姿もあったのが、綿密なプロファイリングにより狙い目を驚異の1桁台に収めることができた。
ただマモノはやはり健在だった。日本はオマーン戦からスタメンを10人入れ替えたが、ウズベキスタンも同様に何人かの主力を休ませていた。しかしその1.5軍とも言うべきウズベキスタンが1、2戦よりもインテリジェンスと深みのあるフッボルを展開したことは、マモノによりブーストがかかったと見るのが自然だろう。
だがそれを上回ったのがこちらもサブ組の日本だ。ダブル・オブ・ピボーテ(ボランチ)の青山と塩谷がリンゴとハチミツのようにウズベクの「深み」を上回る「コク」をルーに作り出し、武藤が前線から「ライス」の役割を果たすことでサイドに添えた「福神漬け」の伊東も活き、カレーライスなチームに仕上がっていた。
武藤がポスト大迫に名乗り
それでは食材とレシピを見ていこう。
【個人採点】(10点満点)
<GK>
シュミット・ダニエル 6 権田とは真逆なその凛々しいハーフ顔は日本の顔面偏差値の上昇に大きく貢献。無論、プレーにおいても終了間際のビッグセーブは特筆すべきものがあったが、飛び出しの判断やスピードにはやや不安を残した
<DF>
佐々木翔 6 縦の乾ともあまり絡むことなく守備的なプレーに終始するも存在感を発揮できず。ただダニエルと同様、そのハーフ顔とスタイルは普段チンチクリンな長友を見慣れているだけに嫌でも壮観に映った
槙野智章 4.5 先制点献上のシーンではショムロドフにスピードで振り切られ(続く)
三浦弦太 5 (続き)足元の技術でかわされた。逆サイドの乾へ何度か送ったロングボールはコースは良いが高く浮くという、暗黒期阪神のエース藪恵壹のピッチングを彷彿とさせた
室屋 成 7 攻撃時にはやや消極的なバックパスが目立っていたが同点弾を演出。守備においても過失はなく、逆サイドの佐々木の顔の濃さを中和するその幸の薄い容貌は日本のルックスに落ち着きを与えていた
<MF>
青山敏弘 6.5 バックラインからゲームを組み立て、その適切な上下のポジショニングは中盤の潤滑油となっていた。後半にはやや足が止まるも、伊東へ出したスルーパスは極上の一言。あれで『いいちこ』3杯は飲める
塩谷 司 8 新たな発見。本職ではない位置でよくピッチを俯瞰し、パスを散らしていた。青山との距離感も申し分なく、相手のチャンスを摘むプロフェッショナルファウルに決勝点はミドルなゴラッソ。このポジションで現時点における評価は遠藤に次ぐ。おまけに嫁が美人だという声もあったが、生憎私の好みではなかった
乾 貴士 4 前半から体に軸がなくドリブルも不安定。前半こそシュートを枠に入れるなどその印象を何とかごまかせたが、後半では危険なボールロストを繰り返し、カウンターでのチャンスもボールが足につかず再び逆起点に。マモノが憑依した可能性も
伊東純也 6.5 ボールの置き所もよく何度かサイドをぶち破るも、その後の判断と精度が悪く得点には結びつかず。それでも精力的にピッチを走り回り、守備にも奔走。時折、解説者の中西哲生氏に見えることがあるのが難点か
<FW>
北川航也 4 本家マモノ。『ウイニングイレブン』のマスターリーグをある程度進めた後に唯一残ったデフォルトメンバー的なひ弱さを思わせる。武藤からフリーでボール受けた選手が彼だとわかった瞬間、全ての日本国民のゴールへの期待値はゼロとなったに違いない
武藤嘉紀 8 プレミア戦士らしく日本の攻撃陣では頭一つ抜けたクオリティーとパッションを示した。同点弾をもたらした高さは言うに及ばず、それを可能とする体幹、ドリブルやボールキープにも見るべきものがあり、その結晶が相手を引き付けてからマモノへ出した決定的な横パス。ポスト大迫に名乗りを上げた。マン・オブ・ザ・オブ・マッチ
<交代>
原口元気 5 元気があった
遠藤 航 5 目に輝きがあった
冨安健洋 5 高さがあった
<監督>
森保 一 7 日本にとってグループリーグの首位通過は当然ともいえるタスクだったが、4年前とは違い最終戦で主力をごっそりとバカンスに充てられたことは収穫。決勝トーナメントの初戦はサウジ・オブ・アラビアが相手だが、コック森保が今度はどんな食材やレシピでどんな一品に仕上げるのかを楽しみに待ちたい。またカレーライスという可能性もあるが、無類のカレー好きの私には望むところだ