岡崎慎司の上位互換
世界最高峰チャンピオンズ・オブ・リーグ(CL)の舞台で、日本代表のザルツブルク南野拓実がリヴァプールを相手に敗軍ながらマン・オブ・ザ・オブ・マッチ級の輝きを見せ、王者の肝胆を寒からしめた。
ザルツブルクは現地時間2日、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)グループステージ第2節で昨季王者リバプールと対戦し、敵地で3-4と惜敗した。試合には敗れたものの、日本代表MF南野拓実は1ゴール1アシストの活躍を披露し、英メディアも称賛を送っている。
(Football ZONE web編集部)
まさに獅子奮迅の活躍と言っていいだろう。1G1Aという目に見える結果もそうだが、90分間にわたりボールキープやパス、チェイシングなど攻守において抜群の献身性を発揮していた。そしてそれを可能ならしめたのがその無尽蔵のスタミナだ。
日本代表でもそのダイナモぶりは見て取れたが、持久力とスキルをこのレベルにまで兼ね備えた日本人選手を未だかつて私は目にしたことがない。岡崎慎司の上位互換と捉えれば分かりやすいだろうか。
既にリヴァプールと個人間合意?
ただそんな世界にインパクトを与えた南野について私が一つ気がかりにしているのが、そのゴールについてだ。いや、正確にはゴール自体にではなく、その直後に見せた敵将クロップの不気味な笑みにだ。上に引用した記事にも後半部分でそのことについて言及をしている。
英紙「イブニング・スタンダード」は、公式ツイッターで「南野のハーフボレー! クロップはタッチライン際でただ苦笑いを浮かべていた」と速報すると、英衛星放送「スカイ・スポーツ」も公式ツイッターで南野のゴラッソに「稲妻ボレーで火を噴いた」と賛辞を送っていた。
ネットでは3―0から1点差に詰め寄られたことに対する苦笑いや、シンプルにゴラッソを拝めたことに対する喜びなどとの憶測が飛び交ってはいるが、私のマニア・オブ・ビューはそのような狭窄的な解釈には無論、与するはずはなく、真の理由を突き止めていた。
まず私のマニビューが提示して来たのが2つの可能性だ。
1つは既に南野とリヴァとの移籍交渉が個人間で成立しているというもので、すなわち南野にゴールを奪われてもじきに自チームに加わるとなれば悔しさ半面、喜び半面となり、その結果あのクロップの表情が形成されたと見てもおかしくはない。
しかし前線に上質な選手を揃えるリヴァが今、南野を欲しがるには説得力が薄く、私はマニビューが弾き出したもう1つの可能性についても検討してみることにした。それは南野が日本人だからというものだ。
ヒントは香川真司との関係性
クロップと言えば知っての通り日本のレジェンド、サラゴサのサラゴサである香川真司の恩師である。
しかし幾たびも我々が目撃した香川に対するクロップの熱く激しすぎる抱擁は、その関係性が単に監督、選手という関係性を飛び越え、BL的な要素を含んでいることを多分に示唆していた。つまりクロップは日本人のヤング・オブ・ガイに尋常ならざる興味を抱いているのだ。
そう考えれば南野に向けられた笑みの意味もすんなりと腑に落ちる。
ん? ならば、こうしてはいられない。これを見ているザルツブルクの関係者よ、今すぐ南野を叩き起こしてホテルから、いやイングランドからの脱出を急ぐんだ! 彼の身に危険が迫っているぞ!