90分換算でシュート27本という怪物ぶり
FIFAをぶっ壊す(ニッコリ)!
「マドラー(マドリディスタの名将用語)たちは不安よな。久保動きます」。そんな決意が聞こえてきたような、まさにレアル久保建英の独壇場とも言うべき活躍だった。
海外サッカーのスペイン1部レアル・マドリードの日本代表MF久保建英が30日(日本時間31日)、アウディ杯準決勝のトットナム戦に後半35分から途中出場。10分間と短い出場時間ながら強烈な左足ミドルでゴールに迫るなど、キラリと光った。英紙は「この名前を忘れるな」と高く評価している。
(THE ANSWER編集部)
わずか10分間の出場で3本のシュートを放ったということは、90分間フルで出ていたら27本のシュートをトッテナムに浴びせていた計算になる。さすがは令和のモンスター、規格外という他ない。
デイリーの緻密な「セイバーメトリクス」報道
しかし私は不満を抱いている。無論レアル久保にではなく、それを報じるメディアの粗さにだ。なぜフッボルメディアにはこうも科学的な見地が欠けているのだろうか。
ただシュートを3本放ったと報じただけで読者の感興や知的欲求が満たされると思っているならば、それは大きな間違いだ。巷のフッボル・オブ・フリークが求めているのは、1つのプレーに対するより詳細で科学的な分析なのだ。
それにつけても思い出すのが、スポーツの到達点であるベース・オブ・ボールメディアの緻密さである。
例えば29日に行われたMLBのエンゼルス―タイガース戦で、全アスリートの至宝、大谷翔平が初回の打席で二ゴロ併殺に倒れたのだが、数少ないクオリティーペーパーである「デイリースポーツ」は、その打球速度が自己最速タイの185キロであったことをセイバーメトリクスを駆使して報じている。
そうすることで二ゴロ併殺という一見ネガティブな結果から、大谷のバットが正しく芯を捉え、安打とは紙一重の内容であったことが読者には手に取るように把握できるのだ。
これが真の報道であり、日本ではデイリーと「東スポ」がその質においては他のメディアを圧倒している。
シュート速度を楽しむというコアな嗜み
そして私はこのセイバーメトリクス、特にシュート速度の言及をフッボルメディアでも採用すべきだと考えている。
試合の勝敗やゴール数に囚われず、ただシュート速度だけで選手を評価する。冒頭の記事で言えば、レアル久保が如何に正確にボールの芯を足の甲で捉えたのか、そのアジャスト能力だけに価値を見出していく。そういったコアな嗜み方があってもいいのではないだろうか。
しかし私は気が遠くなる思いだ。上級国家が愛するベース・オブ・ボール界から学ぶべきことが膨大過ぎて、フッボル界の後進性について否が応でも自覚させられるからだ。
やはり業界の天下り団体FIFAの解体を、我々「FIFAから国民を守る党」は決死の覚悟で目指さねばならぬようだ。