日本サッカー界の育成が花開く
ボンジョールノ、諸君。
ここしばらく巷で囁かれてきた安部裕葵のバルセロナ移籍がようやく合意に至ったようだ。
サッカーのJ1鹿島は12日、日本代表MF安部裕葵(ひろき)(20)がスペイン1部バルセロナに移籍すると発表した。移籍金は推定で200万ユーロ(約2億4千万円)。当面は若手の育成の場になっている3部リーグのBチームに所属し、トップチーム昇格を目指す。
(朝日新聞デジタル)
UEFAカントリー・オブ・ランキングを独走するスペインの2大巨頭でもあるレアル・マドリード(久保建英)とバルサの両クラブに日本フッボル界がそれぞれ若武者を送り込んだことは、彼らが数十年にわたり撒き続けてきた育成の種が一つの大きな花を咲かせたことを意味する。
しかし咲いたという事象のみで祝杯を上げるのはまだ早過ぎる。その花びらの1つ1つが鑑賞に堪えるだけの色どりを見せてはじめて、日本フッボル界が別の次元へ踏み出したと言えるのだ。そういった意味では花弁であるレアル久保や安部の今後の活躍が日本フッボルの趨勢を決めると言っても過言ではないだろう。
意思疎通できないまま孤立する可能性も
ただ私のプロファイリングではレアル久保にはあまり悲観的な観測はないものの、バルサ行きの安部についてはやや不透明感が強く表れている。その根拠は異国におけるコミュニケーションだ。幼少よりスペイン生活に馴染んでいた久保の現地語はネイティブクラスだが、安部に至ってはおそらく自己紹介ですら覚束ないレベルであろう。
私は以下のレポートで、
レアル久保建英よ、セルヒオ・ラモスに取り入り「白い巨人」の財前五郎を目指せ!
メディアでは群を抜く東スポの着眼点 ボンジョールノ、諸君。 諸君らよ、近々空から槍が降ってくるかもしれないから注意してくれたまえ。 ...
組織の中で栄達していくには職業能力だけでなく、したたかに有力者に取り入る政治力が必要だと力説したが、それもコミュニケーションがあってこそはじめて成り立つもので、組織内での共通言語を駆使できなければ元も子もない。
安部が今から専属の語学教師を付けて猛勉強を始めたところでスペイン語の習得には早くても半年はかかり、意思疎通ができないその間にクラブにおける立ち位置が固まり孤立化してしまう恐れがある。そのような事態を避けるためにも、私は政治力を劇的に高めるある特効薬を彼に紹介したいと思う。
「アベ」という響きを活用せよ
安部が所属予定のBチームは言うまでもなく若手が主体だが、どの国であっても世間知らずな若者はとりわけ権威主義になびきやすい。小学生の頃、親がマフィアであることが判明した同級生に対して周囲の見方が変わることはよくある現象だが、その権威主義的な現象に着目し、安部が持つその名前の「アベ」という響きを活用するのだ。
外国人が「アベ」と聞いて真っ先に思い浮かべるものはおそらく、日本の安倍晋三内閣総理大臣だ。無論、彼らには安「倍」と安「部」の漢字表記の違いなどはわかるはずもない。そこでチームへの合流初日、自己紹介の際にこうハッタリをかますんだ。「俺は日本のトップ、安倍首相の孫、ヒロキ・アベだ」と。加えて追い討ちをかけるように、自分をチームから疎外すれば日本とスペインとの外交問題にも発展しかねないことをさらりと臭わせる。
するとどうだ? 権威主義的な若いチームメイトらだけではなく監督やコーチ陣までもが「アベサン」とさん付けを始め、彼に慄きひれ伏すことだろう。つまり安部はひとまず自分は安倍首相の孫であるという一文のみをスペイン語で習得するだけで、チーム内での絶対者の地位を獲得することができるのだ。
政治とは嘘だ。些細な嘘ほど看破されやすく、大きな嘘ほど人心に溶け込む。近く行われるという日本の参院選では大きな嘘を見抜く日本国民の眼力が鍵となってくるだろう。諸君らにはたかが一票だとは思わず、世に目を凝らした自発的な投票行動を求めたい。