公開説教を非難する声
ポルトに所属する日本代表の中島翔哉が今、渦中にある。
ポルトガル1部ポルトの日本代表MF中島翔哉は、現地時間15日の第5節ポルティモネンセ戦で後半28分から途中出場。後半アディショナルタイムに決勝弾が生まれ、チームは3-2で勝利したなか、試合直後に指揮官が猛然と中島に駆け寄って激怒し、チームメートが仲裁に入る珍事が起きた。海外メディアも「緊張の瞬間」と取り上げている。
(Football ZONE web編集部)
事の発端は周囲が論じるように、ポルティモネンセの2点目となる安西幸輝のゴラッソに至るカットインの場面で、中島が安西に対してスプリントせずにちんたら傍観していたことにあるだろう。
確かに中島が詰めていれば得点が生まれていなかった可能性もあり、そのことを咎められても文句は言えないが、ただここまで事態が尾を引いてしまっているのはコンセイソン監督のその異常な剣幕であり、ロッカー・オブ・ルームではなく公然の場で晒し物のように叱りつけた振る舞いにある。
それは監督に留まっているよう言われた中島が言葉を理解できずに軽く受け流して帰ろうとしたことが原因だとの話もあるが、その真偽はともかくこの熱血指導には現地でも「ショーワテキ(昭和的)だ」との非難が巻き起こっているらしい。
今こそあの闘将が必要な時代
しかし私自身はこの指揮官の行為については否定的な見方を下してはいない。平成のゆとり時代以降、指導者が過剰に選手に配慮する余り、本来はより伸びるべき才能が開花せずに萎れてきた現場を私は何度もこの目にしてきた。
そのような意味でもコンセイソン監督が恐怖でもって中島に守備の意識を植え付けることは、チームひいては中島個人の今後のフッボル人生においても必ずや財産となる。
私はこのコンセイソンの姿を見て、ダメ虎を猛虎に変え、2003年に阪神を18年ぶりのリーグ優勝に導いたあの伝説の闘将、今は亡き星野仙一を思い出したくらいだ。
鉄拳制裁をも厭わないその恐怖政治で結果を残してきた闘将星野の姿こそ、親にもぶたれことがない令和時代のゆとりっ子には却って求められる指揮官の在り方と言えるだろう。
仙さんよ、お願いだから天国から舞い降り、今のダメ虎ナインに鉄拳をねじ込み、もう一度も栄光ある猛虎に再建してくれないだろうか、トホホ。