奇跡に打ちのめされる
ボンジョールノ、諸君。
正直に言おう。私は震えが止まらない。こんなことがあるのかと……。
もちろん、その震えは7日に行われたチャンピオンズリーグ(CL)準決勝2nd・オブ・legのリヴァプール―バルセロナ戦に起因するものだが、何も私はリヴァの大逆転勝利のみに衝撃を受けているわけではない。
この試合に絡んだあるシンクロニシティと言うか、予知能力と言うのか、とにかくトンデモナイ奇跡に私のハートは打ちのめされてしまったのだ。
果たして誰が予想しただろうか。サラーとフィルミーノを欠いたリヴァがバルサに4―0で大勝し、令和初のCL決勝進出チームになることを。
いくらホームのアン・オブ・フィールドで試合が行われるからとは言え、監督のクロップでさえ「試合前、選手たちに相手がバルサだから不可能だと言っていた」と白状したように、熱狂的なリヴァプーラー(リヴァプールのサポーター。名将語)たちでさえ、敗退を前提にせめて2nd・オブ・legの勝利だけでもと半ば諦め気分になっていたはずだ。
しかしそんな終戦気分に地球の裏側から喝を入れ、この4―0というスコアを行動で予知していた人物がいたのだ。
バットから生み出された「4―0」という神秘
私は以下のレポートでMLBのエンゼルスに所属する大谷翔平がリヴァプーラーであることを突き止め、彼のリヴァ入団によるフッボル界との真の二刀流の可能性について迫った。
リヴァプールの日本ハムとの提携は大物獲得への布石?
大スクープを逃したメディア ボンジョールノ、諸君。 どうしてメディアはこうも劣化してしまったのか。いや、元から劣化していたと見る方 ...
その大谷が同じく7日に行われたタイガース戦で、昨年10月の肘の手術以来、実に219日ぶりのメジャー復帰を果たした。
何と大谷はこの復帰戦までに実践での調整はしておらず、謂わばぶっつけ本番といった形で試合に臨んだのだが、彼がそこまでしてこの日に自身の再起を合わせてきたのは、ファンであるリヴァが大逆転を懸けたCLの重要な一戦を同日に控えていたからであろう。
大谷の肘はまだ完調には程遠く打者としてのみの復帰だったが、何よりも注目すべきはその打撃内容だ。
①見逃し三振 ②遊ゴロ ③空振り三振 ④三直 ⑤四球
諸君らはこの成績を見て「何もめぼしいものはないじゃないか」と訝しく思うかもしれないが、この5打席を私のハイパー・マニア・オブ・ビューで小1時間ほど照射してみると、そこに宇宙の神秘が浮かび上がってきたのだ。
5打席目の四球は打数としてはカウントされないため、打数は4となる。そしてその4打数の中には安打が1つも見当たらない。つまりこれはベース・オブ・ボール用語で言うところの、
4―0
どうだ? 諸君らも身震いがしてきただろう?
令和もショウタイムが止まらない
リヴァプーラーの大谷が自身の打率を犠牲にしてまで、「4―0で勝とうぜ!」という隠れたメッセージを自己のパファーマンスに乗っけて、遠いイングランドの地に送っていたのだ。
憧れの現役メジャー・オブ・リーガーからのエールにクロップや選手、現地や世界中のリヴァプーラーたちはさぞ色めき立ち、強く勇気付けられたことだろう。
それにしてもこの大谷という男には底が見えない。ベース・オブ・ボールとフッボルの真の二刀流への挑戦を視野に入れながら、その上マジシャンのようなこともやってのける。
令和の時代に入っても、ショウ・オブ・タイムはまだまだ続きそうだ。
<編集者より>時系列的には大谷の試合の方が後に行われましたので、予知やエールということにはならないのですが…。百歩譲って、シンクロニシティが掠っているくらいですかね。