核心に触れようとしないメディア
ボンジョールノ、諸君。
相変わらずメディアというものはピントがズレている。いつも事象の表面を覆う殻ばかりを報じるのみで、その中にある実を探ろうともしない。いや探った上であえて報じていないのかもしれないが、仮にそうだとすれば民主主義にとっては由々しき事態だ。
3月12日(現地時間)に、チャンピオンズ・リーグのラウンド・オブ16第2レグが開催され、ホームのユベントスがアトレティコ・マドリーに3-0で快勝。トータルスコアで3‐2とし、3シーズン連続のベスト8進出を決めた。
この大逆転劇の立役者となったのがクリスチアーノ・ロナウドだ。27分、48分と得意のヘッドでネットを揺らすと、86分にはPKをきっちり決めてハットトリックを達成。堅守を誇るアトレティコを粉砕した。
この圧巻の活躍とともに話題になっているのは、この背番号7の試合後のパフォーマンスだ。両手を股間の近くに置き、その部分を強調するかのようなジェスチャーを披露したのだ。
そう、これは3週間前に行なわれた第1レグで、アトレティコが先制点を奪った瞬間、敵将ディエゴ・シメオネが見せたパフォーマンスだった。
その試合後の会見で、シメオネは「『我々には大きな“タマ”があるんだ』とファンに示すためにやったんだ。相手チームを侮辱するつもりはなかった」と、説明している。
だが、C・ロナウドの胸の内には燃えたぎるものがあったのだろう。ましてや、相手はレアル・マドリー時代に何度も死闘を演じてきた宿敵だ。ハットトトリックとともに、痛烈な仕返しをして見せたのだった。
(サッカーダイジェストWeb編集部)
明らかに言葉を濁している。「C・ロナウドの胸の内には燃えたぎるものがあった」とまで書いておきながら、なぜか私が以下のレポートで言及した男らしさにおける「タマ派」と「竿派」の政治論争については口を閉ざしてしまっている。
C・ロナウドの5本指ジェスチャーに隠された「男らしさ」を名将が読み解く!
上村彦之丞に通じるシメオネの感情表現 ボンジョールノ、諸君。 1894年に勃発した日清戦争で、巡洋艦「秋州島」の艦長、上村彦之丞は ...
「タマ・竿」論争に決着
C・ロナウドは1st・オブ・legにおけるシメオネのジェスチャーという行為そのものには怒りを覚えてはいない。自チームの得点時には爆発的な感情の高ぶりがあることくらい彼も当然理解している。ただ彼が見過ごせなかったのはシメオネのジェスチャーに隠された「タマ派」の主張で、フッボルという神聖な場に政治が持ち込まれてしまったことなのだ。
しかしピッチが一旦政治に侵されたのなら、決して適切とは言えないが、そのピッチ上で迅速に対応しなければ政治論争で後手を取ってしまう。故に竿派のC・ロナウドも5本指を突き立て、「タマが大事といっても、竿が5㎝なら男らしいとは言えない」とやり返したわけだ。
そのような経緯があった中でC・ロナウドは今回の2nd・オブ・legで、ハット・オブ・トリックでチームを逆転突破に導き、「これは竿派の勝利でもある」と言わんばかりに股間の前に手を添え、咆哮とともに男らしさの政治論争に終止符を打ったのだ。
男どもよ、「股間ポーズ」で街に繰り出せ
竿派の私もこの結末には歓迎すべきかもしれないが、シメオネがわいせつ行為だとしてUEFAから2万ユーロ(約250万円)の罰金を科されたように、C・ロナウドもこの件で何らかのペナルティーが下されるのかと思うと手放しで喜べる心境でもない。
そう。2人は主張こそ違えど、昨今の行き過ぎたフェミニズムや男女平等思想に対し、わいせつとの言いがかりも恐れずに公の場で男らしさを発信した、広義の意味での「漢」同志なのである。
男性諸君らはここでタマ派、竿派という小さな相違を乗り越えて、急進的なフェミニスト連中からの圧力でC・ロナウドに不当な処分が下らぬよう街に繰り出し、股間ポーズをしながらシュプレヒコールを上げなければならない。