バルセロナが3―0で先勝
令和初のボンジョールノ、諸君。
令和初のフッボルレポートということで実に身の引き締まる思いだが、欧州でも1日、令和初のチャンピオンズリーグ(CL)の準決勝1st・オブ・legが行われ、バルセロナが令和初の3―0でリヴァプールに令和初勝利を収めた。リヴァプールは令和初の敗戦。
この試合はスコアが示すような一方的な展開ではなく、令和初勝利がリヴァプールの方に転んでいても決しておかしくはない、スピードとインテン・オブ・シティを伴ったまさにCL準決勝にふさわしいスペクタクルな名勝負となったが、それを醸成したのはやはり令和という新時代の息吹だったように思われる。
スタジアム中に溢れた令和への熱意
両チームの選手から放たれた「令和の初戦を白星で飾りたい!」「令和初のゴールを奪いたい!」「令和初のパスカットをしたい!」「令和初のサイドチェンジを決めたい!」「令和初のオフサイド・オブ・トラップをかけたい!」「令和初のパンチングをしたい!」「令和初のビルド・オブ・アップに貢献したい!」「令和初の壁を作りたい!」……そのような思念がピッチ上に幾百、幾千と強く渦巻いていた。
それは何も選手らだけではなくベンチの中でも同様だった。両監督からは「令和初の交代を指示したい!」「令和初のサイドラインを割ったボールを足元のスキルで選手にダイレクトで返したい!」、コーチからは「令和初の助言を監督へ耳打ちしたい!」。もちろん客席や警備スタッフだって「令和初のブーイングをしたい」「令和で初めて暴漢の乱入を阻止したい」……そんな個々の思いに溢れていた。
スタジアムにいる全ての人間の令和への思い、熱情がこの試合を至高のものにしたと、私のマニア・オブ・ビューは強くそう主張して止まない。
そしてその試合で唯一の違いを見せつけたのが、バルセロナのメッシだ。厳密には言えば、彼のプライドと言える。
FKの弾道に込められた愛と祝意
メッシは世界最高選手としての矜持から誰よりも強く令和初のゴールを欲していたが、惜しくも前半26分、スアレスによってその栄誉を奪われてしまう。消沈するかと思いきや、やはり彼は並みのプレーヤーではなかった。そこから頭を切り替え、令和初のドッペル・オブ・パックを狙い、そしてそれを完遂した。
特に自身2点目となった後半37分の直接FK弾には言葉が出ない。わずかなステップから放たれたボールは、強度と精度に寸分の狂いもなくゴール隅へと吸い込まれていった。これはメッシのFK史上でも指折りの一撃であり、あのボールの軌道には令和への愛と祝意が込められていた。
まさに令和が彩ったこのカンプ・オブ・ノウの一戦。CL準決勝の1st・オブ・legではもう一方のカード(トッテナム―アヤックス)が先に行われたが、2nd・オブ・legではこのカードが先に開催される。
2nd・オブ・legでは一体どのようなCLでの令和初が飛び出してくるのか。バルセロナがそのまま押し切り令和初の決勝に進むのか、それともホームのリヴァプールが巻き返して令和初の逆転進出を果たすのか、CLも令和から目が離せない。