きっかけは妻の誕生日プレゼント
ボンジョールノ、諸君。
昨日、「ZOZO」の前澤優作社長のお年玉企画の当選者が決まったそうだ。このお年玉企画というのは前澤社長のツイッターアカウントをフォローした上でお年玉企画のツイートをリツイートした人を対象に抽選で100名に各100万円を贈呈するというものだが、何を隠そう、この企画を発案したのは実は私だったのである。
前澤社長とは私が彼の「ZOZOTOWN」を利用して以来の縁で、彼の話によると私がZOZOTOWNを利用した初めてのアルゼンチン人だったらしい。グローバリズムを重視する彼は直々にイタリアの私の自宅に妻へのバースデー・オブ・プレゼントである「しまむら」のショルダーバッグを届けに来てくれた。彼はロシアワールドカップの決勝を自家用ジェットで観戦に行くほどのフッボル好きで、私がフッボル評論家兼指導者であることを告げると目の色を変え、彼は私との付き合いを深めたいと申し出てくれた。
剛力との会話から生まれたアイデア
それから私が極秘来日した際には彼とはよくコンタクトを取り、確か昨年のクリスマスの日だったが、彼のアモールである……なんだっけ……トルストイ……チェーホフ……ゴーリキー……そう、剛力彩芽と3人で会食する機会があった。プレゼント交換では前澤社長が「しまむら」の新商品のカーディガン、剛力がランチパックの詰め合わせ、私が自身の戦術書『サトルステギの考え』を出し合い、実に愉快なひと時を過ごすことになった。
宴もたけなわになってきた頃、剛力がふいにこう切り出した。
剛力「名将はお年玉って知ってる?」
名将「オトシダマ? 何だね、それは」
前澤「日本では新年のお祝いに目下のものに金品をあげるんですよ」
名将「実に興味深い」
剛力「(前澤社長に)名将にあげるの?」
前澤「名将に目下扱いは失礼だろ」
名将「いや、いい(んだ)……」
剛力「(遮って)そうね」
名将「な、何も形式張る必要はないぞ」
剛力「もう忘れて」
名将「そ、そうだ。企画としてそのお年玉を不特定多数に分け与えるというのはどうだ?」
前澤「どういうことですか?」
名将「志を持った人間や夢を持った人間を金銭的にサポートするんだ」
前澤「面白そうだな。……ツイッターをリツイートした人の中から抽選で何人かに100万円を配るなんてのはどう?」
剛力「楽しそう」
名将「実に興味深い試みだ。不特定多数ということは、もちろん私にも参加資格があるということだね」
そんな経緯で前澤社長のお年玉企画が産声を上げたわけだが、私も「マニア・オブ・フットボール」の公式ツイッターアカウントからさっそくフォロー&リツートさせてもらった。「妻の夢であるブティックの開業資金の500万円をトイチで借り入れたので、その返済に充てようと思います。よろしくお願いします!」との熱いコメントも添え、抽選日であった昨日、祈るように彼からの当選ダイレクトメールを待っていたが、どうやら私は選外に漏れたらしい。
金の切れ目が……
なぜだ? 企画の発案者かつ友人である私は当選のポール・オブ・ポジションにいたはずではなかったのか。それを除外するとは血も涙もない。せめてアイデア料として、いや恥を忍んで目下と認めるからお年玉として私に100万円を恵んでくれてもよかったではないか。私は裏切られたのだ。スマホの日付が今日へ変わった瞬間に私は音速で彼のアカウントへのフォローを外し、彼とは今後距離を置くことにした。結果的には金の切れ目が縁の切れ目ということになり、実に侘しい年明けとなってしまった。