なぜ危険タックルが起きたのか?
日本の至宝でマジョルカにレンタル移籍中のレアル久保建英が、19日のバレンシア戦で途中出場直後に見せた危険なタックルが世間を賑わせているが、常の如くフェイクメディアやエセ評論家は「なんて踏みつけなんだ!」などとそのタックル自体の品評だけに留め、なぜそのようなプレーが起きたのかに切り込もうともしない。いや、切り込むだけの脳がないと言う方が正解なのだろう。
マジョルカは現地時間19日、リーガ・エスパニョーラ第20節でバレンシアと対戦し、4-1の快勝を収めた。日本代表MF久保建英は後半から途中出場したが、イエローカードを提示されたファーストプレーのタックルに「なんて踏みつけなんだ!」とスペイン紙が驚きを示している。
(Football ZONE web)
無論、危険なプレーであることに変わりはないが、フッボルのミステリーを解き明かすためには馬鹿の一つ覚えのように個々のプレーや戦術といった形而下な現象ばかりに囚われるのではなく、選手の心理という形而上の事象にも注意を払うことが肝要となってくる。
あの温厚なレアル久保がなぜこのような獰猛なプレーに走ったのか、その心理を分析するのが本来のアナ・オブ・リストの姿と言える。もちろんメンタルの分析という発想に至ったところで、ベンチスタートだったという焦りから監督へ必死にアピールしようとする余り、乱暴なプレーに走ってしまったという浅はか過ぎる分析では落第も同然だ。
選手の心理ひいてはフッボルの本質を紐解くためにはさらに全世界規模の俯瞰的な視野が要求され、それを完備した私はこのレアル久保のビーストなプレーからはある種の怒りを読み取ることに成功している。
選手の声なき声を聞け!
バレンシア戦が行われた19日は、タイで行われていたU‐23アジア選手権で日本がカタールと引き分け、未勝利で大会を終えることになった15日からわずか4日後のことだ。つまりは監督の森保をはじめ五輪代表選手らの情けなすぎる醜態を見た際の、そこで湧き上がってきた思いが冷めやらぬうちのバレンシア戦だったのだ。
そうしたことを踏まえ改めてレアル久保のタックルを見てみると、確かに「フッボルはこうやるんだよ!」という怒りの咆哮が聞こえてくるかのようだ。なるほど、五輪代表が見せたぬる過ぎるデュエルと森保の無策に相当な怒りを覚えていたことが窺える。ただ、この怒りの咆哮が森保や選手らに伝わっていれば多少の慰めとはなるのだが、悲しいかな彼らにそれを解読するだけの知能があるとは思えない。
だからこそ本来は冷静な周囲のメディアや評論家らがレアル久保の声なき声を拾い、森保ジャパンらの面々の耳に触れるよう世の発信してやるのが務めなのだが、このご時世、難解なフッボルミステリーを解読できる人材が私一人だけとあっては、フッボル界がますます低能集団へと成り下がっていくばかりだ。
このレポートを始めて1年3カ月、そろそろ諸君らの中から老い先の短い私の後継者となるべきフッボル探偵が登場してもいい頃合いなのだが、その兆候が未だ現れないということは、まだまだ私の養成への努力が足らないということか。