現地時間9月27日に開催されたラ・リーガ第3節で、久保建英が所属するビジャレアルは、ロナルド・クーマン監督の公式戦初陣となるバルセロナと対戦。前半だけで4ゴールを決められ、0-4の大敗を喫した。
「前半が悪かったのはわたしの責任だ。ファンの皆さんにお詫びしたい」と試合後に謝罪したビジャレアルのウナイ・エメリ監督が批判を浴びているのは、この結果に対してだけでない。スペイン紙『AS』が伝えたところによれば、ツイッター上では「なぜ久保をもっと使わないのか」という声が殺到したという。
それもそのはずだ。『AS』紙が「彼は数分間で、試合全体を通してビジャレアルの最も明確なチャンスを2度創出した」と称えたように、74分に久保が出場してからアウェーチームの攻撃は明らかに活性化していた。
エメリ監督は「タケはとても上手くやっていると思う」とそのパフォーマンスを称えたものの、開幕3試合でピッチに送り込んだのは、77分、85分、そして74分といずれも試合終盤だ。
経験を積ませるためにレンタルに出したレアル・マドリー側にとっても、「こんなはずではなかった」はずだが、マドリーの専門メディア『Defensa Central』によれば、この状況を落ち着いてみているようだ。
その理由は、マジョルカでプレーした昨シーズンも序盤は出番が少なかったが、最終的にチームに不可欠な存在になったからだという。「クボがスターターになるのを信じている」ため、現時点でレンタル契約の解消などは考えていないという。
まだ3試合が終わっただけ。久保の才能があれば、ビジャレアルでもレギュラーの座を勝ち取れると見ているようだ。中2日で行なわれる次節のアラベス戦は、あるいは初先発の機会が巡ってくるかもしれない。そこで指揮官を満足させられるか。格好のアピールの場となるはずだ。
(サッカーダイジェストWeb編集部)
―バルサ戦の久保のタッチ集を見たレアルファンの反応―
▪バルサというトップチーム相手に、自信を持って好パフォーマンスを披露している彼を見られて嬉しい。この調子をキープしていけば、ビジャレアルでも先発になれるよ
▪ボールが足に吸い付いているな。この子はすごいよ!
▪エメリへの信頼を失っている。この試合では久保よりもチュクウェゼの方が適していたが、ビジャレアルでは決してポゼッションスタイルではバルサに打ち勝つことはできない。誰もがバルサの弱点を見抜いていたにも拘わらず、彼はその弱点を突こうとしなかった。ビジャレアルには良い選手がいるのに、スローにプレーすることを選んだんだ。負けて当然だよ
▪エメリにはサカ(アーセナル)の時のように、久保をゆっくりとファーストチームに馴染ませてほしい。まあ、久保の方がサカよりも良いけどね
▪彼はゆっくりとチームに適応していくと思う。僕はエメリを信用している。久保が先発になれるだけのスキルとポテンシャルを持っていることはわかっているが、それチームで発揮するのには時間がかかる。シーズンが進むに連れてケガ人が増え、選手が疲れ、フォーメーションが変われば、チャンスは増えてくるよ
▪︎マジョルカの監督も最初は久保を先発させなかったが、徐々に久保の価値を見出し、最後には先発でチームのためにプレーさせた。久保はこの試合でも攻撃を牽引していたし、エメリにも期待したい
▪久保を先発させるべきだよ。久保とパレホ、モレノを中心にチームを作らないと
この試合を受けて、レアルのフォーラムでは「久保をレアルのRWにして、ロドリゴをレンタルに出すべきだった」との議論が
▪僕も久保の才能には言及したかったところだ。彼は与えられた時間がどんな僅かなものでも、いつも危険な状況を作り出している。まだまだ改善の余地はあるが、これまでのリーガの3試合を見る限り、ビジャレアルのどのアタッカーよりも多くの仕事をこなしている。ロドリゴも本当にいい選手で、ジダンはRWでアセンシオのバックアップとして期待しているようだが、彼は左サイドの方がオプションが多く、右サイドではその能力が無駄になっていると思う
▪︎久保はレアルではまだチャンスがないよ。僕はビジャレアルの全試合を見て来たが、ジェラール・モレノの方が優れている。ただ今夜の試合はこれまでの数試合に比べて、ビジャレアルに来て初めてと言っていいくらいに本来の輝きを見せていた。他の試合ではプレー時間が少なすぎたし、彼もインパクトを残そうと焦っているようだった
▪︎全ての試合って、リーグが始まってまだ数試合だからな(笑)。中盤での圧力を高めるために久保をCAM(中央の攻撃的MF)に使う選択肢もあったはずだ。彼がモレノよりも優れていることを僕は否定しない
▪︎僕はプレシーズンからビジャレアルをチェックしている。その時の久保は良くなかったけど、今は落ち着きだしている。彼はマジョルカからビジャレアルへと大きくステップアップした。彼にプレーして欲しい気持ちはわかるが、ビジャレアルが自チームの選手よりも久保を優先させるためには、彼がコンスタントにその選手たちよりも自身に価値があることを証明しなければならないんだ。マジョルカが毎試合、久保を必要としていたのに対し、ビジャレアルは選手層も厚く、エメリが彼をどう扱うかは興味深い。ウーデゴールはソシエダで才能を発揮して、いい意味でそこに留まることができなかった。ビジャレアルにとっても久保に活躍してもらわないと困るから、これからもピッチに送り出すはずさ。ELが始まればより多くの時間プレーするだろうし、それに降格の危機に瀕していたマジョルカでも、先発になるのに半年間も要していたことを忘れてはならない
▪︎久保はビジャレアルでも明確な違いをもたらしている。エメリはそれを望んでいないかもしれないが。まあ、マジョルカでも初めは同様だったし。何もビジャレアルで最高の選手である必要はないし、既に試合では影響力を発揮し始めている。今日のエメリの采配は恥ずべきもので、ビジャレアルのプレーはジョークだった。久保が一番の選手だけど、エメリは馬鹿だから、それに気付くまでには15試合はかかるだろうね
▪︎問題はエメリが久保を中央に配置したフォーメーションに変更できるかどうかだ。サンティ(カソルラ)がいなくなってから中盤に創造性が欠けている。久保はそこにフィットする可能性があるが、エメリの考えを改めさせるには今日のようなパフォーマンスを継続しなければならない
▪︎久保はビジャレアルの特定の選手よりも優れているどころか、唯一チームに違いをもたらせる選手だよ。エメリがフォーメーションをイジるとは思わないが、プレシーズンで久保をセカンドストライカーとして試してみた時、ウイングにボールが渡っても久保のことが頭になく、彼が機能不全になっていた。でも久保は素晴らしい選手だし、変化を与えることができる。今日の試合の終盤、4-5-1のカウンタースタイルで彼に自由を与えたことで攻撃が活性化してきた。でもエメリはノータリンだから、それまでは「ティキ・タカで行くぜ」とバルサのボックス内にプレッシングで2人も進入させたら、たった1本のパスで5人が置き去りになって、4点も失ったんだ
▪平凡なチームやひどいチームでプレーすることと、レアルでプレーすることを比較してみて欲しい。もちろん久保にも自信があるだろうし、ビジャレアルでも最高の選手で攻撃を牽引している。ただこれらのチームはアウェーで引き分けても問題ないし、最終順位が8~14位でも許される。でも、レアルでは生きるか死ぬかなんだ。10人の守備陣と対戦することもあるし、レアル相手には特別なモチベーションで臨んでくる。レアルでプレーすることを過小評価してはいけないんだ。僕は久保が悪いとかそういうことを言いたいわけじゃなく、ロドリゴの立場を擁護するために言っているんだ。ロドリゴはうまくやっているし、驚くべき才能を持っている。今のところRWでプレーしているのが久保であろうがロドリゴであろうが、大きな差はないと思う
▪︎久保は1つ上のレベルにあるようにも感じるんだが
▪︎ウーデゴールがいい例だね。彼は馴染もうとしているんだろうが、ミスをしないことを最優先にして大胆さに欠けている。ソシエダ時代にはもっと自信を持って、パスなどでも危険を冒していたんだけどね
▪︎でもロドリゴはナチュラルなRWじゃなく、LWの方が適正なんだよなぁ。一方の久保はRWでプレーできるし、個人的な見解では久保の方がRWでは優れていると思う
▪︎その「個人的な見解」でしか語れないところが悩みなんだ。つまり僕らは久保とロドリゴを同じ環境下で比較する機会がなかったんだ。久保はとても有望で、うちのRWを奪えるだけの兆候をたくさん見せてくれてはいるが、今のところロドリゴだけがそれを示す機会を得ていて、彼はそれをうまくこなしているんだ
▪︎ヴィニシウスの左サイドからのゴール数は出場機会の割には貧弱すぎる。昨季は何ゴール、何アシストだったんだ? ロドリゴは右サイドでやや孤立していたが、ヴィニが得意とする左サイドのプレーよりも効果的だったよ
▪僕は4-4-3と4-4-2のハイブリッドフォーメーションの右サイドに久保を置くというアイデアが好きなんだ。彼は仕事の速さ、ペース、スキルを持っていて、多くの役割を果たすことができる
▪久保がピッチに入った瞬間、ビジャレアルが見違えるように攻撃をし始めた。彼は明らかに攻撃に関しては影響力を持っている。でもレンタルから連れ戻すためにはお金が必要だしね。来季はうちでプレーしてほしいけど、ロドリゴもまだ1試合しかプレーしていないから安易に比較はできない。今季はどのような結果を見せるのか、見守る必要があるだろうね
▪彼が得点できるのであれば、アリだね。バルサがアカデミーからファティを引き上げ、彼がゴール前での決定力やドリブル以外にも能力を見せているのに対し、うちはヴィニシウスとロドリゴに9000万ユーロも費やしたが、彼らは今のところ何も生み出していない
▪︎事実だが、ファティはメッシのサポートを受けている
▪︎それはいい指摘だが、うちの中盤にもクロースやモドリッチ、ウーデゴールがいるからチャンスを作り出すことができるし、素晴らしく献身的なストライカーのベンゼマもいる。今季もし彼らが先発することになっても、2人合わせて10ゴールには届かないだろう
▪まだ早いよ。ウーデゴールのように地道に歩み、議論の余地がないほどのワールドクラスなRWであることを示す必要がある。うちが彼をレンタルしなかった場合、おそらくベンチで飼い殺しになっていただろうし、それは悲しむべきことだよ。ブラヒム・ディアスについても同じことが言えるね
▪︎ウーデゴールよりも久保の方が優れているのに君は何を言っているんだ?
▪︎別タイプの選手だが、ウーデよりも優れてはいない
▪コストの問題だろうな。ロドリゴの移籍金は約5000万ユーロで、年俸は約800万ユーロ。一方の久保はフリーでやって来て、年俸は120万ユーロ。一方はレンタルしやすく、期待値も低く、別のプランもある。もう一方と比べれば
▪うちのシャツを着た瞬間に全てが変わってしまう。大舞台でのパフォーマンスには度胸が必要だが、 彼は成熟しているし、エメリがよっぽどやらかさない限り、いずれはレアルで先発することになるだろう