平成最後の日に
ボンジョールノ、諸君。
現在、私は今年に入って109回目の極秘来日を果たしているのだが、何やら世間が騒がしいと思い尋ねてみると、平成の終わりを楽しんでいるとのことだった。私はてっきり先月で平成が終わったものと勘違いし「令和の空気は一味違うぜ」と一人悦になっていたのだが、何のことはない、それはまだ平成の空気だったらしい。フフフ。
ということで本日が本当の平成最後の日ということで、マニア・オブ・ビューラーの私が平成年代の世界のベスト・オブ・イレブンを発表したいと思う。
こういった選考には多分に選者の嗜好が入るもので、決してそれは客観的ではないことを留意の上、諸君らの議論の肴にでもしてもらえれば幸いである。
ブッフォンやノイアーを押しのけ…
システムは4―3―3を採用する。
まずはGKだが、現役選手の中にもブッフォンやノイアーといった史上最高クラスの選手らがいるが、ここはあえてヨシカツ(川口能活)を選びたい。2004年アジアカップのヨルダン戦で見せた神がかり的なPKストップは平成では他の追随を許さないGKの名シーンとなっている。
サイドバックには革命戦士2人
次にDF。サイドバックには新旧2人の革命戦士を用意した。右がカフーで左がアラバだ。カフーは現代型サイドバックの礎となり、アラバはその上にさらに新しいビジョンを示すことに成功した。
CBには未完の天才ネスタがその一角を占める。怪我により底を見せずに若くして引退したが、まだ伸び代があった中でも既にマルディーニを凌駕するようなプレーを披露していた。そのネスタの相方には現役選手からファンダイクを選びたい気持ちもあったが、CBはどうしてもGKとの密な連携が必要となる。そう考えると日本語を話せるプレーヤーが必須となり、代表でもヨシカツとプレーをしたボンバー・ナカザワ(中澤佑二)が最適任とみる。あの毛量はワールドクラスだ。
最強フランスを牽引したジダン
続いてMF。ピボーテには私と同郷であるレアルの貴公子レドンドを推したい。フィジカル、スキル、頭脳、顔面、全てにおいてエレガントで、特にCLのマンウー戦でのバックヒールからのアシストは世界無形文化遺産に登録すべき一品と言える。
インサイドハーフには当然ジダンを配置する。芸術的な足元で一時代を彩り、90年代終盤から00年代初頭にかけての最強フランスを牽引した彼を外す選択肢があるはずもない。もう1人に関しては相当悩んだが、ジダンの頭部に注目が集まらないよう似たヘアスタイルの小野伸二を抜擢する。怪我がなければバロン・オブ・ドールも狙えた日本史上最高の天才はこのメンバーの中にあっても決して色褪せることはない。
平成で誰よりも熱く駆け抜けた男
最後にFW。ウイングは右にメッシ、左にクリスティアーノ・ロナウド。これは私のみならず、世界中の人間が「平成」と聞けば問答無用でこの史上最高のライバルを選出するはずだ。彼らが同じチームでプレーする姿を誰もが見たいと夢に描いている。
そしてフィナーレを飾るワントップにはファン・バステン、ロマーリオ、バティストゥータ、怪物ロナウドなど錚々たる顔ぶれが並ぶ中、私はその誰もが到達し得なかった前人未到の境地を走り続ける50代のフッボラー、キング・オブ・カズこと三浦知良にその栄誉を授けたいと思う。
平成年間で誰よりも喜び、悲しみ、熱く駆け抜けたカズこそがベスト・オブ・イレブンに最も相応しい。令和へと時代が移っても、彼は変わらず我々のキングであり続けるであろう。
日本サッカー躍進の30年
<GK>川口
<DF>カフー、ネスタ、中澤、アラバ
<MF>小野、レドンド、ジダン
<FW>メッシ、三浦、C・ロナウド
ほう…こうして並べて壮観すると、日本人が全てのポジションで4人も名を連ねている。確かに平成は日本フッボルの躍進の30年だったことを思えば、この結果にさほど驚きはない。
私が選ぶ平成のベスト・オブ・イレブンは以上のような陣容となったが、おそらく諸君らもそう異論はないと思う。では、また令和の時代で会おうぞ!