点数が入るスポーツほど番狂わせが困難だとされ、その最たる競技と言われるラグビーにおいて、日本が4年ぶり2回目のジャイアント・オブ・キリングを果たした。
ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は28日、A組第2戦で世界ランク9位日本が同2位アイルランドと静岡・エコパスタジアムで対戦し、19-12で撃破。歴史的金星を挙げたが、海外メディアは続々と速報。「ジャイアントキラー」「歴史的勝利」と偉業のホスト国に称賛の嵐が巻き起こっている。
(THE ANSWER編集部)
初戦で強豪スコット・オブ・ランドに完勝し、つい先日までは世界ランク1位だったアイルランドに対し、日本は劣勢の前半ではPGで小刻みに食い下がり、相手の疲れが見えた後半に一気に畳みかけ、トライも奪い、見事な逆転勝利を収めた。
ラグビーを余り知らないフッボル人の私ですら、ブレイブ・オブ・ブロッサムズの規律の高さと不屈の精神を理解するには容易く、むしろそこに私は猛虎魂に通じる親しみさえも見出したくらいだ。
偶然にも日本―アイルランド戦が始まる直前、クライ・オブ・マックスシリーズ(CS)に向けてもう1試合も落とせない阪神が、DeNAを相手に3戦連続での完封勝利で、4連勝を飾った。残り2戦の中日戦も連勝すれば、阪神は3位広島を抜いて奇跡の大逆転でCS出場を決めることになる。
そのような最終盤における猛虎戦士たちの底力は、単にCS出場だけでなく、日本一の下剋上までもを見据えた崇高さを感じる。
メンバー31人中、関西人が8人もいるラグビー日本代表は、そんな猛虎戦士たちの雄姿を試合前のローカールームのテレビで眺めながら、同じく巨大な相手にジャイキリを成し遂げようする自分たちの士気を高めたであろうことは、時系列的にも疑いの余地はない。
つまり日本代表の勝利は、猛虎魂の勝利と言えるのだ。
日本代表には海外出身の選手も数多いる。そう考えれば、猛虎魂は競技や国籍の枠を優に飛び越えたことになる。今後も猛虎魂を纏ったラグビー日本代表の大会での快進撃を期待したいと思う。