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エジプトに75歳の現役選手誕生で改めて知るキング・カズのイノセンス

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コービーの死を吹き飛ばす、余りにふざけたニュース

NBAのレジェンド、コービー・ブライアントの突然の事故死に世界中が衝撃を受け、フッボル界もメッシ、C・ロナウド、ネイマールというビッグ・オブ・ネームらが次々にSNSや試合中に哀悼を表す中、そんな哀しみを一気に吹き飛ばす余りにふざけたニュースが目に飛び込んで来た。

エジプトで驚くべき契約が行われたようだ。エジプトサッカー協会(EFA)が発表した。

エジプト3部リーグの「6th October」がアズ・アル=ディン・バハダーとの契約を発表。75歳の選手との契約に際し、EFAは以下のようにFacebookに投稿した。

「本日、エジプトサッカー協会は今回の冬の移籍期間中に世界最年長のプロ選手を登録している。彼は75歳のアズ・アル=ディン・バハダーで、3部の6th Octoberと契約した」「彼はクラブに参加し始めることで、ギネス記録に登録される準備を行っている」

(GOAL)

このバハダーとかいうどこぞの後期高齢エジプト人かは知らないが、ギネス狙いの一歩間違えれば老人虐待とも言える75歳のプロ契約に一体どれほどの価値があるというのだ。

これはおそらくFIFAが運営する「FIFA.com」が最近、キング・オブ・カズこと三浦知良のキャリアを称賛したのを目にしたクラブの首脳陣が、「これは金になるぞ」という商魂から企画したものであろうが、この馬鹿げた思い付きに1986年にサントスでプロ契約をして以来、52歳の現在に至るまで終始現役フッボラーであり続けたカズを引き合いに出すことは、フッボルに対する許されざる冒涜と言える。

プロ契約してもバハダーがピッチに立てない理由

そもそもこのバハダーという老人がいくらプロ契約をしたところで、現代フッボルのピッチに立つことは決して叶わないというのが私の見解だ。それはプレッシングが全盛でフィジカルが大きく要求されるなどといったテクニカルな理由からではなく、現代医学の発達により風邪薬さえもクロだと判定されかねない厳格なドーピング検査があるためだ。

75歳という年齢を考えれば、悲しいかなバハダーは日頃からバイ・オブ・アグラを摂取していることはまず間違いない。このバイ・オブ・アグラは説明するまでもなく界王拳の如く精力を増強させる効果があり、これほどのミスター・ドーピングな薬物も珍しい。むしろ専門的な知識は必要とせず、素人でもパンツの外形から容易に薬の摂取が判断できるほどだ。

ただエジプトのフッボル協会がそこまで厳格なドーピングテストを実施するかは大いに疑問が残るところだが、彼のおかげでバイ・オブ・アグラなしでピッチを走り続けるカズの凄さが改めて認識できたのは、怪我の功名と言うべきか。

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