令和初のイングランド勢同士の決勝
ボンジョールノ、諸君。
前日に続き、チャンピオンズリーグ(CL)で連夜の大逆転劇が起きた。
ホームでの1st・オブ・legを落としていたトッテナムが一時はアヤックスに2戦合計スコアを0―3とされながらも、後半に2点を返して訪れたアディショナル・オブ・タイムで逆転の3点目を決め、劇的なファイナル進出を決めた。
これでCL決勝は11年ぶり、令和では初のイングランド勢同士の顔合わせとなったが、悔やまれるのはアヤックスだ。
前半に2点を決めほぼ決勝の切符を手中にしかけていたのだが、ここに来て平均年齢が24歳という若さが祟り、後半の早い時間帯に失点をしたことでチーム全体が浮足立ってしまった。
足りなかったワイルドさ
その中でも私が敗戦の主因と見るのがそのチーム哲学だ。アヤックスが掲げる規律高く美しく戦おうとするクラブ理念が、前線の選手らのプレスの動きを過度に抑制しているように見えた。
後半のようにインテン・オブ・シティが高まってくると、エレガントさよりも動物的なワイルドさが必要となってくる。そしてそのワイルドを体現できる選手が、残念ながらアヤックスには見当たらなかった。そう、ボールホルダーをフォックスのように追いかけ回す、あの岡崎慎司のような男が…。
と、私がそんな思いに駆られているところに偶然にも岡崎本人からこのような呟きが届いた。
As the club announced, I am leaving @LCFC. I felt extremely honoured to be part of this wonderful club. I will never forget those fantastic memories and appreciate everyone who accepted me as part of your family. I will always be a fox, thanks again!💙💙🙏
— Shinji Okazaki (@okazakiofficial) 2019年5月8日
何だか英語でカッコよく書きなぐっているが、要約すれば彼はレスターを退団するということらしい。
この退団は契約の満了に伴うもので、すなわちアヤックスは移籍金を支払わずに今チームに必要なワイルド&ビースト的な選手を獲得できるチャンスにあるのだ。
タディッチとは比較にならないプレミア王者
現在のアヤックスにはタディッチが絶対的エースとして君臨しているが、そんな彼ですらプレミアリーグでは中小クラブのサウサンプトンから都落ちしてきた選手だ。
無論、岡崎と言えばそんなレベルには留まっていない。サウサンプトン時代のタディッチには想像することさえできなかったプレミア王者の称号を持ち、ミラクル・オブ・レスターを牽引したレジェンド戦士の一人なのだ。
その岡崎がアヤックスに加わるとなれば、タディッチの激変ぶりから鑑みるに30ゴール10アシスト800スプリントは堅いとみる。岡崎が仮にその予想された数値通りの活躍を見せれば、来季こそアヤックスはCL決勝の扉を24年ぶりに開くことができるだろう。
来季のアヤックスがクラブ哲学を捨て、岡崎獲得で勝利に徹したフォックス集団になることを私は期待して止まない。