
【巨匠のレビュー】『キング・オブ・コメディ』/ラストに大きな矛盾が孕んでいるぜ
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記憶が曖昧な理由
この前に見た『ジョーカー』はスコセッシ&デ・ニーロの『タクシードライバー』と、その同じコンビで製作されたこの『キング・オブ・コメディ』にも影響を受けているらしいんだけど、ジョーカーの評論においてオイラはタクシードライバーだけに言及して、このキング・オブ・コメディには全く触れなかった。と言うのも昔にキング・オブ・コメディも一度は見てたんだけど漠然としか内容を覚えてなくてさ、そんな曖昧な記憶を持ち出して評論に絡めるのは不適当だと思ってあえて避けてたんだけど、例のAmazonプライム・ビデオを眺めていたらキング・オブ・コメディが無料作品として紹介されていて、それでついでだから復習がてらにと視聴してみたら、これが思った以上に『ジョーカー』と重なるとこがあったんだね。
妄想家で母親と2人暮らしでコメディアンを目指しているのはまんまだし、出たかったショー番組でキング(『ジョーカー』ではジョーカー)と紹介させたこともそう。根幹の部分でかなり『ジョーカー』とリンクする部分があった。それなのにオイラが『ジョーカー』を見てる時にその符合に気付かなかったのはどうも不思議だったんだけど、見終わってみればその理由もわかったね。つまりこれが曖昧にしか記憶に残らないような作品だったってことだよ。
「覇気強し」な脚本
後で説明するけどこれはすごく平面的な話でさ、スコセッシもデ・ニーロからこの映画の監督依頼を受けた時には脚本を読んで初めは断ったっていうからね。でもその気持ちはよくわかるよ。映画を撮る立場としては刺激や感興をそそらない直情的なシナリオなんだもん。テーマやメッセージ性が過度に主張をし過ぎていて、それに人物描写が粗く引きずられちゃっている。
明治時代に既に小説家として名声を得ていた幸田露伴が、正岡子規から書いた小説を見てくれと頼まれた時に「覇気強し」と評した手紙を返送して子規を落胆させたけど、まさにこの映画の脚本も「覇気強し」だよ。調べれば週刊誌で映画評論家をしていた人間が書いたらしくて、さもありなんだと思ったね。
評論家ってのは基本的には創作側に立てなかった人間だから、いざ自分が創作する立場になるとその鬱屈した熱情を全部吐き出そうとする。その上、変に知識がある分、半分素人なのに自己過信に陥るわけ。故に出来上がったものは第三者的な観点での研磨がなく、直情的で角ばったものになっちゃうんだ。呼吸に例えれば吐いてばかりいるようなもんでさ、吸うことを忘れちゃってるんだ。それじゃあ窒息しちゃうって。
『ジョーカー』よりもジョーカーな主人公
でもこの脚本をデ・ニーロは気に入っちゃってるんだ。ただそれも理解できる。この映画の主人公パプキンはコメディアンとして身を立てようとしているんだけど、中身は狂人そのものだからね。役者というのは真っ当な人間よりも少々気の触れた人間を演じてみたいと思うのが性だから、デ・ニーロがこの脚本ひいてはパプキンに惹かれた理由もわからないではない。
正直言って、このパプキンの方が『ジョーカー』の主人公アーサーよりもジョーカーだしね。同じくコメディアンを目指しているアーサーよりもやたら楽天家だし、笑顔でめげない。もう逆に感情のないロボットみたいで「この感覚はどこかで味わったことがあるぞ」なんて思って記憶を辿ってみたら、あのクソど底辺映画『きみの膵臓を食べたい』の主人公の女に通じるものがあったんだよ。とにかく不気味で向かうところ敵なし。感情のラインがずっと同じ高さに留まっているから、見ていても退屈なんだよ。冒頭で言った平面的ってのはそういう意味。
アーサーは同じ狂人でももっと奥行きがあったけど、このパプキンはストーリーに都合よく練り込んだだけのいかにも浅い人物になっちゃっている。ただパプキンが『きみ~』との女と違うところは、そこに妄想家というキャラ設定が一応は施されてるところだね。この映画の名誉のために一応は断っておくよ。
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ゲームのマリオでもそうじゃん。クリボーとか障害物に当たれば死んじゃうから、それを避けながら進んでいくのが楽しいのであってさ。今はYouTubeとかでマリオの攻略動画とかも上がっているけど、それが初めから終わりまでスターマリオじゃテクニックも何もあったもんじゃなくてつまんないでしょ。この映画はそんなスターマリオの攻略動画を見せられている気分なのよ。
とにかくこのパプキンはスターコメディアンのラングフォードの車に無理やり同乗したり、事務所へ押しかけて自分のネタを撮ったテープを渡したり、またテープを見てくれないからとラングフォードを誘拐して力づくでショー番組に出たりと、それだけのことを葛藤もなくやり遂げて笑顔で映画を終わらせちゃう。なのでストーリーの起伏と内面とがリンクしていかないからどうにも臨場感が湧いて来ない。
デ・ニーロ・アプローチという最終兵器
ただそれでもこの作品がまだ見られたのは『ジョーカー』と同様に俳優に力があったからで、映画化を進めたデ・ニーロがこの狂人を責任をもってうまく演じ切ったからだよ。他の平凡な俳優じゃもっと退屈になっていた可能性もあったところを、デ・ニーロ・アプローチのおかげで狂人の観察という視点で最後まで見ることができたからね。つまりこの映画は役者で成り立っているようなもんで、それはクライマックスのパートにも顕著に出ているよ。
クライマックスはショー番組でのパプキンのスタンダップコメディだけど、話の構造上あのパートは映画全体をネタと考えればオチに当たる部分。つまりこのパート次第では映画をぶち壊すことにもなるし救うことにもなる、そんな分水嶺なんだ。そういった意味ではとても度胸のある脚本で「散々前フリした挙句にこの程度のオチかよ」なんてなるところを、余りアメリカンジョークは面白いとは思わないけど、デ・ニーロのコメディアンとしての所作や口ぶり、すなわち演技力がこの直情的なシナリオをとにかく一息でまとめ上げた、それだけの謂わばカタルシス的なものはあったと思う。
またこのネタの中でラングフォードを拉致していると言って客を笑かせてるんだけど、爆笑している劇中の観客の中で映画を見ている側の自分だけはそれが本当のことで、この男が目的遂行のだめには犯罪を厭わない狂人だと知っているという構図は妙に不気味で新鮮に感じたよ。
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ベン・ジョンソンこそが「キング・オブ・コメディ」
しかし一点。パプキンが最後に言った「どん底で終わるより、ひと晩だけでもキングになりたい」という台詞がこの映画のテーマであり、アイデアでもあり、オチでもあるわけなんだけど、これはこれでダイナミックで良いと思うし、この映画を評価している人間もこのメッセージ性に強い共感を得たんだろうけど、オイラはここに大きなひっかかりがあったね。なぜならこの台詞を言ったパプキン自体がとてもどん底にあるような人間には見えなかったからなんだ。つまり大きな矛盾を感じたわけ。
だって家の中に写真ボードなんかでショー番組の舞台セットを再現して、もう本当とも妄想ともつかない生活をしてたんだよ。どう見ても人生を楽しんでそうだったもん。微塵も自分がどん底で不幸だなんて思ってなくて、むしろ大舞台に立つに値する才能ある人間のように思ってた節すらある。だから「どん底で終わるより、ひと晩だけでもキングになりたい」という台詞はパプキンのキャラにはどうも馴染まなくてさ、それこそあべこべなんだけど『ジョーカー』のアーサーに言わせた方がよっぽど真に迫ったんじゃないの。
ただアーサーに言わせたところで、この台詞をソウル五輪の100m決勝という現実世界で体現したベン・ジョンソンという御仁が既にいるから、そのインパクトにはどうしても勝てないけどね。
100mの決勝なんて全競技の中でも一番の花形で、世界からの注目度も他競技と比べて段違いにすごい。その人類一を決める大舞台でベン・ジョンソンは一時の栄光を味わうためにドーピングをかまして優勝しちゃったんだから。ウイニングランなんかで味わった高揚感は誰も不正を知らないその時点ではまさしく本物であったわけで、その後の人生を放棄してもいいだけの価値はそこにあったんだと思うよ。
ある意味でそれは壮大で桁違いな自〇行為みたいなもんで、その快感はキング・オブ・コメディのパプキンの比じゃないよ。まさに男のロマン。そのベン・ジョンソンは最近じゃ日本のバラエティなんかでネタ扱いにされているけど、究極のロマンをやり遂げた功績をもっと評価してさ、キングとして番組に呼ぶべきだよ。彼こそが本当のキング・オブ・コメディなんだから(笑)。