首位インテルの原動力
インテルが好調だ。開幕から4連勝とスタート・オブ・ダッシュに成功し、ユベントスを抑えて現在セリエAで首位を走っている。その原動力となっているのが今季マンチェスター・オブ・ユナイテッドから移籍してきたルカクだ。
21日に行われたセリエA第4節で、ミランとのダービーマッチに臨んだインテル。激しい攻防が続く中、49分にマルセロ・ブロゾヴィッチのゴールで先制に成功すると、78分にルカクがヘッドで追加点。2-0で勝利を飾った。
今夏のインテル加入後、リーグ戦4試合で3ゴール目を奪ったルカク。コンテ監督が就任直後から獲得を熱望していた26歳ストライカーは、その期待通りのパフォーマンスを見せている。試合後、ルカクは指揮官との関係は良好だと語った。
(GOAL)
ルカクの特長と言えば、2017年には英国の「デイリー」紙が計測したランキングで首位を取るほどのスピードど、そして何よりも前線でのボールキープを可能にするその強靭なフィジカルだ。
その屈強な肉体は一際ピッチ上で栄え、日本人をはじめアジアの選手やチームと対峙する時には親子のような佇まいになる程だ。
フィジカルコンタクトこそスポーツの醍醐味
フッボルもフルコンタクト・オブ・スポーツである故、肉体の強さはそのまま競技力にも直結してくる。いくら足元のテクニックが優れていようとフィジカルが脆弱であれば、体をぶつけ合うピッチ上でバランスを保てず、その技量が半減または無効化されてしまう。
それは海外へ飛び出した幾多の日本人選手の成功を阻んだ壁であり、人種的な問題に帰結するアジア人の宿命的なハンデとも言えよう。
ただそのフィジカル・オブ・コンタクトこそがフッボルの醍醐味であり、その激しさが選手やサポーターらを熱狂へと引き込み、肉体を競い合うというスポーツ本来の姿がそこに見出せるのである。
そのような肉体の共演ともいうべき性質を有しているからこそ、私はフッボルという競技をかなりの水はあいてはいるが、ベース・オブ・ボールの次に位置付けているのだ。
しかし近頃、そのような私のマイスポーツ・オブ・ランキングに地殻変動を起こす出来事があった。
3位に転落するサッカーへの危機感
いつもの如く極秘来日中の私は民泊のテレビを何気なくザッピングしていると、ルカクさえも赤子に見えるような馬鹿げた肉体を持った連中が1つの歪なボールを巡りながら、激しく、素早く、ダイナミックに駆け回っている姿が眼前に現れたのだ。
そう、今日本で開催されているラグビーのワールド・オブ・カップだ。
ルカク以上の肉体とスタミナと俊敏性を備えながらもネイマールの要素が全く見当たらないその競技に、私の心は時を置かず虜になってしまった。仮にルカクがこの舞台に立っていれば、おそらく5分としてピッチ上に留まることはできなかっただろう。
そして気づけば、ラグビーという競技がマイスポーツ・オブ・ランキングでフッボルをとうに抜き去り、2位の位置に躍り出ていたのだ。
フッボルというスポーツを人類の英知であるベース・オブ・ボールの域に近づけようと奮闘していた私だったが、ベース・オブ・ボールどころかその中間にまだ追いかけるべき崇高なスポーツがあったとは、自分の見立てが甘かったと言う他ない。
早くFIFAを解体しなければ、今後もその差は広がっていくばかりだろう。嗚呼、私には嘆息しか出てこない…。