アーセナル戦で記録がストップ
諸君らの中に前回のレポートの冒頭で「FIFAをぶっ壊す(ニッコリ)!」のお馴染みの文言がなかったことに気付いた者はいるだろうか。実は忘れたわけではなく、地味に億劫だったのであえて外したのだ。ただそれでもFIFAに正義の鉄槌を打ち下ろすという私の意思に断じて変わりはない。そこだけはしっかりと留意してくれたまえ。
と言っている間にすっかり欧州はフッボルシーズンを迎え、イングランドのプレミアリーグではリヴァプールが第3節で強豪アーセナルに快勝したものの、その試合でファン・オブ・ダイクの空前絶後の記録に終止符が打たれてしまった。
過去50試合連続で対人戦無敗を誇っていたリバプールのオランダ代表DFフィルジル・ファン・ダイクがついにドリブルでかわされた。現地時間24日に行われたリバプール対アーセナル戦(3-1)で、コートジボワール代表FWニコラ・ペペがファン・ダイク相手にドリブル成功を記録した。
(Football ZONE web編集部)
記録こそ途絶えたが、50試合にわたりデュエルで無敗を誇ってきたなどとは俄かに信じがたい。
「タックル」「ブロック」「パスカット」という3択
フッボル馬鹿の諸君らも知るように、デュエルの局面で守備側が行える動作は以下の画像における右枠のように、
ドリブルに備えた「タックル」の他にシュートに備えた「ブロック」、パスに備えた「パスカット」がある。これが攻撃側の意図と合致した時にデュエルは成功となる。
つまり1度のデュエルで勝つ確率は1/3となる。そして1試合におけるデュエルの回数を少なく見積もり10と仮定しても、それが50試合も続いたとなれば、ファン・オブ・ダイクは勝率1/3であるはずのデュエルを500回連続で成功したことになる。
数式に表すと1/3の500乗だ。私の持っている電卓ではベジータと対峙したキュイのスカウターのように爆発の危険が伴うほど天文学的な計算となっている。ロト7に当たるなんてレベルを遙かに凌駕した神の存在までも意識し、八百長までも疑ってしまう狂気の確率なのだ。
しかしファン・オブ・ダイクは現実世界にそれを体現して見せたのだ。まさに現役のみならず、フッボル史上、いや未来永劫、最高のCBと言っても過言ではないだろう。