日本へ向けた「良い写真」という秋波
今季、バルセロナの監督をクビになったばかりのバルベルデが日本に秋波を送っているようだ。
[マドリード 13日 ロイター] - サッカーのスペイン1部、バルセロナの監督を先月に解任されたエルネスト・バルベルデ氏(56)は13日、新天地について自分に馴染みのない場所で挑戦してみたい気持ちがあると話し、日本についても言及した。
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そして、2018年にバルセロナを退団してJ1の神戸に移籍したアンドレス・イニエスタの名前を出し、「彼が日本に行くと言った時、私は拍手を送った。異なる文化、異なる人々を理解できる機会と思ったし、私も日本にとても興味を持っている。日本では良い写真が撮れる」と話した。
文中での「日本では良い写真が撮れる」とは単に風光明媚な場所という意味に加え、「私には日本代表強化の青写真があり、それを具現化できる」との含意があることは誰の目からも明らかだろう。
バルベルデと言えば2010年頃に日本代表監督候補としてJFAが接触を図ったが、「日本代表に関心があったものの、当時は46歳という壮年だったこともあり、欧州での成功を目指したのだろう」(原博実氏)とのことで実現には至らなかった。
しかしそんな彼ももう55歳だ。そろそろ第二の監督人生として欧州を離れ、中堅国のナショナルチームを率いてみたいという野心が先の「良い写真」発言に表れたのであろう。
アウェーでの脆さを解消する秘策
ただ受け入れる側の諸君らとしては、バルベルデに対する印象はそう芳しくないかと思われる。なぜなら彼はチャンピオンズリーグにおいて2017~18年の準々決勝ローマ戦(1stレグ4―1、2ngレグ0―3)、翌18~19年の準決勝リヴァプール戦(1stレグ3―0、2ngレグ0―4)とホームの1stレグでの大勝から2ngレグでの大逆転負けという様式美を2季連続で演出し、アウェーでずばぬけた脆さを見せていたからだ。
そんな彼をホーム&アウェーで行われるワールドカップ予選を戦って行く日本代表監督に就任させるのは、森保よりはマシとは言え、少なからぬリスクが伴うこともまた事実だ。しかしそんなリスクも、U-23代表では綺麗に解消されてしまうのだ。
U-23代表が金メダルを目指す東京五輪では全てがホームゲームとなり、バルベルデの短所を全て掻き消してくれる。逆にホームでのバルベルデは鬼となって手が付けられず、17~18年のリーガでバルサはホームでの無敗を貫き、2位アトレティコ・マドリードに14ポイント差を付けて独走優勝を果たしているのだ。
ということでJFAの田嶋会長よ、今からでも遅くはない。森保のU-23代表兼任を解き、内弁慶の神バルベルデを招聘するんだ!