歴史的勝利の陰で
横浜でブレイブ・オブ・ブロッサムズが歴史を塗り替えた。
ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は13日、横浜国際総合競技場でのA組最終戦で日本とスコットランドが決勝トーナメント進出をかけて激突。超大型の台風19号の影響で中止が懸念された一戦は、日本が28-21で勝利し、史上初の8強入り。4連勝で堂々の首位通過を決め、20日の準々決勝では南アフリカと対戦する。
(THE ANSWER編集部)
私はこの歴史的な快挙を祝福すると共に、フッボル人としてある思いに駆られないわけにはいかなかった。
ワールドカップ(W杯)での8強進出は日本フッボル界にとっても悲願としていたものだ。しかもフッボル界の方がよりそれに近い位置にあると思っていたはずが、まさかそれを先にラグビー界に達成されてしまうとは、おそらく誰も想像していなかったことであろう。
日本ラグビー界とフッボル界…どうして差がついたのか…慢心、環境の違い?
そのことに対する私のマニア・オブ・ビューによる解答は、両チームにおけるプレース・オブ・キッカーの質の差だ。
ベルギー戦でのキッカーが田村であれば…
ラグビーW杯の今大会において現在得点ランキングの首位を走っているのは、何と日本のスタンド・オブ・オフ、田村優だ。
そして驚くなかれ、その48点全てをプレース・オブ・キックで記録しているのだ。現在はボローニャの監督をしているミハイロビッチはその昔、フリーキックだけでハット・オブ・トリックを達成したが、田村は今日の試合でその3倍弱の得点をプレース・オブ・キックで叩き出しているのだ。
驚異的な数字という他ないが、それに比べて現在のフッボル日本代表はどうだ? そのメンツの中に果たして直接フリーキックでゴールネットを揺らせるだけの名手がいるだろうか? その答えは残念ながらNOと言わざるを得ない。
昨年のロシアW杯のベルギー戦で、終了間際でのフリーキッカーが本田圭佑ではなく仮に田村であったならば、先に8強進出を決めていたのはフッボル界だったのではと私は思わずにはいられないのだ。
中村俊輔以降の日本には真のプレース・オブ・キッカーは生まれてはいないし、現状生まれてくる気配もない。ならばここは恥を忍んで、JFAはラグビーW杯後に田村へサッカー日本代表への招請を検討してみてはいかがだろうか?
そうすることで本職のフッボラーたちも尻に火が付くと思うのだが…。