南野拓実のリーグデビューはクロップのユーミンの名曲「守ってあげたい」に絡めた優しさでまたしてもお流れとなったが、そのリヴァプールは19日に行われたプレミアリーグ第23節で宿敵であるマンチェスター・オブ・ユナイテッドをアン・オブ・フィールドで堅実に下し(2―0)、またしても30年ぶりとなるリーグタイトルを大きく手繰り寄せた。
これでリヴァプールの勝率は脅威の95%(21勝1分け)に達し、積み上げた勝ち点64は何と一昔前にはリーグを牛耳っていたオブ・ユナイテッド(34点)とアーセナル(29点)の勝ち点の合算(63点)を、消化試合が1つ少ないのにも拘わらず上回ってしまった。これは11人のリヴァプールとオブ・ユナイテッド&アーセナルの混成チーム22人が対戦しても、リヴァプールが1点差で勝利をもぎ取れる計算になる。
ただ今のリヴァプールにはそんな中位クラブと化した両者は眼中になく、気に掛けるべきは昨季に歴史的なデッド・オブ・ヒートを繰り広げた2位のマンチェスター・オブ・シティだが、こちらもクリスタルパレスに引き分け、首位リヴァプールとの差が16へとさらに広がった。
この結果、1試合消化が多いオブ・シティは残り15試合を全勝しても勝ち点は93にしか届かず、逆にリヴァプールはそれを上回る勝ち点94を得るためにはたった30の勝ち点を積み上げるだけでいいことになる。つまりこれはマジックナンバー「30」が点灯したとも換言できるのだ。
ゲーム単位で考えれば残り16試合で10勝すれば到達でき、勝率95%のチームにとっては余りにイージー過ぎるハードルとなっている。そのことを理解したためか、試合後には早くもレッズラーたちが優勝のチャントを歌い上げていた。
もはや彼らの興味はプレミアよりもチャンピオンズ・オブ・リーグ、そして真打、南野の初ゴールへと傾いているのだろう。