もはやフランクフルトの鎌田大地はヨーロピアンキラーと言っても差し支えあるまい。
フランクフルトは20日、32強が激突するEL決勝トーナメント1回戦第1戦でザルツブルクと対戦した。前半12分に相手GKの股を抜く右足シュートで先制点を奪った鎌田は、同43分に左足チップキックで追加点をマーク。さらに後半8分、今度は左サイドからのクロスに頭で合わせ、ハットトリックを完成させた。
(ゲキサカ)
未だブンデスリーガでは17試合の出場でノーゴールの鎌田だが、ヨーロッパ・オブ・リーグ(EL)では7試合で6得点を叩き出し、しかもグループリーグではアウェーのアーセナル戦で2ゴールを決めて、敵将のエミリを退陣へと追いやり、ガナーズのサポーターからは所属していた稲本も果たせなかったレジェンド認定までを受けている。
そして今回の決勝ラウンド32のザルツブルク戦ではハットトリックを達成したどころか、その内容も極めて秀逸であった。
1点目はサイドからのグラウンダークロスを見事に足元へ収め、右足で冷静にゴール。2点目は縦への速攻から絶妙な切り替えしで相手DFを剥がした上に迫ってくるGKを左足のロブで欺き、3点目はやや幸運もあったが狙い澄ましたヘッドを決め、後は手でゴールを決めればサイクルゴール達成という快挙間近であった。
フッボル界のサイクルゴールとは野球界のサイクルヒット(安打、二塁打、三塁打、本塁打を1試合で達成)になぞらえ、頭と四肢(両手両足)全てを使ったゴールを言い、基本的に手の使用は反則なため、手に限っては左右どちらかでゴールをすれば良しとされている。
しかし本来は反則である手でのゴールは審判と敵チームを騙す必要があり、過去最もサイクルに近づいた選手と言えば、1986年のメキシコワールドカップのイングランド戦で難解な手でのゴールを決めたマラドーナであろうか。その試合でマラドーナは伝説の5人抜きゴールを左足で決めていたことから、後は頭と右足だけだったのだが、神の子と称された彼でさえも完遂には至らなかった。
未だ歴史上誰もなし得なかったサイクルゴールが達成される日は果たして来るのであろうか。現代においてその可能性を有しているのは決定力とマリーシアを備えるネイマールだと私は見ているのだが、諸君らの意見はどうだろうか?