臆面もなく浮かれるチリ・メディア
ボンジョールノ、諸君。
17日(現地)に行われたコパ・アメリカのグループCの第1節で、日本を4―0で下したチリが臆面もなく浮かれている。
(チリ国内の)有力紙『La tercera』は速報記事において、「そこにディフェンディングチャンピオンがいた」として、以下のようにレポートした。
「そこに我々の知るチリがいた。2連覇中の王者が想像を絶するかたちで、日本に4-0で勝利した。彼らは1年以上にわたる準備段階での疑問を覆い隠してしまうような幻想的なゲームを見せた」「チリにとって最悪な点を挙げるとすれば、リラックスしてしまったことだ。これは指揮官のルエダも悩まされたはずだ」「日本を完膚なきまでに打ちのめした開幕戦はラ・ロハにとってポジティブに作用することだろう」
(サッカーダイジェストWeb編集部)
呆れたものだ。チリの国内メディアがこのコリカ(コパ・アメリカの名将略語)の一戦のみを取り上げて自分たちの優位性をどんなに取り繕ろおうとも、彼らが日本に対して敗者であるという事実は何も変わらない。
しかも彼らが誇る勝利の相手は東京五輪を見据えた若手主体の謂わばB代代表、いやC代表と言っても過言ではないサムライ・オブ・ブルーならぬヒャクショー(百姓)・オブ・ブルーで、少なくとも彼らは6点差で勝ってこそ大言壮語できる立場にいたはずなのだ。
2週間前にフランスで…
ん? どうやらチリ人だけではなく、日本の諸君らもここまでの私の言説に対して深く首を傾げているようだ。
勘弁してくれたまえ。一体私のレポートを貪り読み出してから何ヵ月になるというのだ。何度も言っているだろう、目先の試合だけに囚われず、俯瞰的な視点でフッボルを眺めろと。それがマニア・オブ・ビューだと。
……そう諫言したものの、私は諸君らにはひどく甘い。しょうがない。以下にヒントを置いておく。
トゥーロン国際大会
毎度のことだが、ヒントを超えてもはや答えとなってしまっている。どうやら私はクイズ番組の司会には向いていないようだ、フフフ。
そう、遡ること約2週間前。フランスで行われたトゥーロン国際大会で、U―22チリ代表は同じくU―22の日本代表に1―6という、もう少しでスクロールスコア(2014年W杯「ブラジル1―7ドイツ」)に到達するかというくらいにフル・オブ・ボッコにされているのだ。チリなどは所詮、同条件で戦えば日本に対してはこのザマなのだ。
真の総力戦で国力を計れ
U―22といえば既に少年法の適用外で、子供だからというふざけた言い訳は通じない。むしろこの世代の姿はフッボルにおけるその国の未来図とも言える。
そこで無残にも5点差をつけられてしまったチリは、コリカでは少なくとも5点差をつけてようやく日本と対等になれたはずが、終わってみればヒャクショーを相手に4―0が精々だった。
すなわち各カテゴリーを含めた真の国家総力戦という観点に立てば、その合計スコアは、
日本6(6+0)―5チリ(1+4)
実質、日本の勝利となる。
おそらくチリ・メディアはその不都合な真実に目を瞑り、記事中にトゥーロンの「ト」の字すら出さず記憶から葬り去っているらしい。よほど悔しかったのだろう、苦し紛れに「幻想的なゲーム」などという意味不明な言葉だけを連ねている。