日本サッカー協会(JFA)の田嶋会長が遅ればせながらUー23アジア選手権でのカタール戦における主審のVARを巡る判断についての質問状をマッチ・オブ・コミッショナーに提出したらしい。ただ、抗議ではなく質問という穏便な体裁で事を収めようとする姿は、私が前回のレポートで示したように、
カタール戦の“中東の笛”と乾貴士の不倫疑惑を結ぶ田嶋JFA会長の闇
なぜJFAは不正ジャッジに声を上げないのか 東京五輪の地ならしとなるU-23アジア選手権を未勝利で終え、日本フッボル史に恥辱を刻印 ...
主審を買収していたのがカタール側ではなく、森保監督を守ろうとした田嶋会長を筆頭とするJFA側であることを暗に裏付けるものと言えよう。
ここではっきりと断言しておくが、このカタール戦の審判買収疑惑において主審のムハンマド・タキを含め不正に関与した人物は誰一人として処罰されず、その真相は闇に葬られることだろう。故に疑惑の渦中にある田嶋氏はのうのうと会長職で甘い蜜を吸い続け、日本フッボル界の悪夢の日々は今後も継続することになる。
そこにつけて痛感するのがベース・オブ・ボール界のスゴさ。昨年のMLB王者であるアストロズが相手チームから不正にサインを盗んでいた事件に絡み、機構側は罰金500万ドルにGMと監督の1年間停職、そして今後2年間のドラフト1、2位指名権剥奪というとてつもない厳罰を科したのだ。
さらにスゴいのがアストロズの球団側も即刻処分の下ったGMと監督を解雇し、またそのアストロズ時代に不正に関わっていたとされるレッドソックスの監督に対し、レッドソックスの球団も機構からの処分を待たずに解任処分とした。パチパチパチ(拍手音)…まさに脱帽と言う他ない。
不正に対する断固とした姿勢を示すことで今後の不正への抑止を図ると共に、その上でベース・オブ・ボールというスポーツの尊厳も守り抜く。何という誇り高き人々なのだろうか。
そんな彼らの崇高性に触れると、フッボル人の私は恥ずかしさの余り穴にでも入りたき心地になってくる。我々の業界は僅かな接触があっただけでのたうち回る輩がいるように、相手を騙し不正を行うことには長けているが、反対に犯してしまった不正にしっかりと向き合い、それに対して責任を取るという道義的観念がすっぽりと抜け落ちてしまっている。
今回の不正に対する両業界の対応を目の当たりにし、私はもはやフッボル界がベース・オブ・ボール界に追いつく日が未来永劫訪れないことを悟ってしまった。
それにしても私はどうして道を誤ってしまったのか。神よ、仮に来世があるならば、私は憧れの野球人として生まれ変わりたい。