NPBに追従するだけでは…
未だ収束の気配が見えない新型コロナショックに対応するため、日本スポーツ界の両巨頭がタッグを組んだ。
日本野球機構(NPB)と日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)による「新型コロナウイルス対策連絡会議」が3日に設立され、第1回会議が都内のNPB事務局内で行われた。
斉藤惇コミッショナー、村井満チェアマンの他、両団体の構成メンバーが出席。賀来満夫氏(東北大学名誉教授)、三鴨廣繁氏(愛知医科大大学院教授)、舘田一博氏(東邦大学教授)の3人の専門家チームが、新型コロナウイルスの現状について説明し、感染予防のポイントや、罹患者が出た場合の対応などを質疑応答した。
(スポニチアネックス)
タッグという言葉はいささか両者に対等な響きを与えるが、その実、誕生して30年にも満たないJリーグが、70年の歴史と伝統に裏付けられた危機管理能力を持つNPBへ教えを乞いに行ったと見るのが正解だろう。その証拠にプロ野球が20日の開幕を見据え15日までのオープン戦を無観客とした措置を真似るように、Jリーグも15日までの公式戦を見送り、18日にリーグ再開を目指すことにしたのだ。
確かにNPBは仰ぐべき至高の組織であることは否定をしないし、私も球界に対するリスペクトでは誰にも負けないつもりだが、しかし今回のコロナ騒動ではJリーグはより独自性を発揮し、今週末からでもすぐにリーグを再開すべきだというのが私の意見だ。それは経済的な損失を危惧したあこぎな商魂からではなく、シンプルにJリーグの質の向上のためだ。
浪速のジョーのマスク活用術に倣え
野球とは違いフッボルでは世界の新興国に位置する日本は、東京五輪も間近に迫っている中で選手らの試合勘を鈍らせることは、先進諸国である欧州との格差をより広げてしまう結果になる。そうした事態に対処しつつ、より選手の強化を図るためには発想次第でこのコロナ騒動は恰好な機会ともなり得る。
リーグを再開するとなればもちろん徹底した感染予防は必要で、無観客試合は言うまでもなく、その上で選手らの健康も守るためにそのプレー中にはマスクの着用を義務付ける。そしてこのマスクの着用が思わぬ副作用をもたらしてくれるのだ。
ボクシング界のレジェンド、浪速のジョーこと辰吉丈一郎は49歳の今も世界王者を目指し、日々のトレーニングを欠かさずにいる。そんな彼は練習中にマスクを着用し、酸素の吸収量を制限することで心肺機能の強化に努めているのだが、それと同等の効果がJリーガーにも期待できるのだ。
すなわちゲームを行うことで試合勘を維持しながらも、マスクの着用により高地にいるかの如く心肺機能にも負荷をかけられる。仮に苦しさの余り一瞬でもマスクをずらした選手にカードの提示なども導入すれば、審判の目も鍛えられて一石三鳥にもなる。
ピンチというものは捉え方次第ではチャンスにもなり得る。これはフッボルだけではなく、諸君らのつまらない人生についても言えることだ。