現状では残り10試合で勝ち点8しか稼げない
プレミアリーグで2003~04年シーズンのインヴィンシブルズ以来の無敗優勝を目論んでいたリヴァプールだったが、思わぬ伏兵に土を付けられてしまった。
リバプールは現地時間2月29日、プレミアリーグ第28節でワトフォードと対戦し、0-3の完敗を喫した。今季リーグ戦で負け知らずのリバプールだったが、連勝記録は「18」でストップし、無敗記録も「44」で止まることになった。日本代表MF南野拓実は、後半34分からリーグ戦で3試合ぶりに途中出場している。
(Football ZONE web編集部)
無論、記録とはいつかは止まるものだが、重要なのはその止められた相手だ。これがビッグ6や上位に位置するクラブであればそう心配する必要もないが、相手がリーグのブービーチーム(試合前の時点で19位)であるワトフォードで、しかも0―3というスコアで一蹴されたことを考えれば、リヴァプールの今後に小さからぬ影を投げかける。
19位チームに完敗したとなれば、現状リヴァプールのチーム力は最下位ノーウィッチと同等と見るのが自然だろう。そのノーウィッチのチーム力がいかほどかと言えば、28節を消化時点で5勝17敗6分けと、1試合平均0.75の勝ち点しか稼げない脆弱さである。
つまり、今やそのノーウィッチと同格となったリヴァプールは残り10試合で得られる勝ち点は単純計算で7.5となり、ポジティブに四捨五入しても8しか稼げないことになる。この8を現在の勝ち点(79)に積み上げると、シーズン終了時の最終勝ち点は87との結果が弾き出せる。
今こそ南野の勝者のメンタルがチームに必要
この87という数字は昨季の97よりも10ポイントも減少しており、2位のマンチェスター・オブ・シティは27節終了時点で勝ち点が57(18勝6敗3分け)であることから、残り11試合を10勝1分けで乗り切れば勝ち点が88となり、リヴァプールを大逆転でうっちゃることができるのだ。昨季を14連勝フィニッシュで優勝を成し遂げたオブ・シティには決して不可能なタスクではない。
ゲーゲンプレスを主体に走り切るフッボルを展開するリヴァプールにとっては恵みと思われていた今季初めて導入されたウインター・オブ・ブレイクだったが、その後にチーム状態が変調し、今ではプレミア最弱レベルと化してしまったことは何たる皮肉であろうか。
未だプレミアでの優勝経験がないリヴァプールにとっての最大の弱点はリーグ戦における勝者のメンタルだが、なるほど、クラブの首脳陣はそこに自覚があったためにザルツブルクでリーグ6連覇を果たし、勝者のメンタルを備える南野拓実の獲得を急いだわけか。リーグ戦も佳境に差し掛かった今、ようやくミナミーノの出番が回って来たようだ。