JFAの関塚技術委員長が森保の続投を明言したらしいが、彼がその根拠にしたのがシリア戦のポゼッション率とシュート数だったというから驚きだ。もはや世界の最前線である欧州フッボルはポゼッションの大小をゲーム・オブ・ジェネラルシップ(試合の主導権)の座標とすることはなく、シュート数にしろその内容、すなわち枠内数や決定機の数を重要視している。果たしてシリア戦の森保ジャパンに決定機と呼べる好機はいくつ訪れただろうか?
もちろん本田が以下にツイートしたように、
「U-23」
批判は大いにしたらいいけど、代替案を言わずにただ批判してる人が多いけど、それじゃ何も変わらんよ。あと、まだ本番じゃないからね。
— KeisukeHonda(本田圭佑) (@kskgroup2017) January 14, 2020
代替案も出さず、ただ感情的に落ち度を批判するだけの野党精神では何の生産性ももたらさない。そういった意味では以下の2つのレポートを上程したように、私ほど具体的な代替案を世に示した猛者はいないかと思う。
森保の後任を探る―オススメしたい日本代表の新監督候補①
今月のE-1サッカー選手権でも醜態を見せ、もはや解任は時間の問題となった日本代表の森保監督だが、その後任が決まらなければ彼を追い払 ...
森保の後任を探る―オススメしたい日本代表の新監督候補②
28日に行われたキリンチャレンジカップで、U-22日本代表はU-22ジャマイカ代表を相手に9―0という歴史的大差で圧勝し、見事に令 ...
いくら関塚氏や田島JFA会長が保身のために森保を庇おうとも、サポーターらがあっての代表であり協会なのだ。森保の解任世論を無視すれば大衆の矛先は無論2人にも向きかねず、それを回避するために彼らは薄情にもカタール戦の内容次第では森保を生贄に出す可能性だってあり得る。
そこで私はそうなった場合の混乱を最小限に留めるべく、日本代表に最適な次期監督候補をもう2人ほど進言したいと思う。
■デイヴィッド・モイーズ
マンチェスター・オブ・ユナイテッドというメガ・オブ・クラブでは結果を残せなかったが、羽を伸ばせるエヴァートンのような中堅クラブでは小粒な手駒を上手く活かし、ビッグ6に割って入る手腕を見せた。その彼が如何なく能力を発揮した“中堅”とはまさに日本代表の世界における立ち位置そのもので、しかもモイーズが志向するキック&ラッシュは横パスばかりで縦への推進力に欠けるサムライ・オブ・ブルーの難点を補うには最適な戦術となっている。加えて2014年のフラム戦でオブ・ユナイテッドが81本のクロスを浴びせたように、そのクレイジーとも言えるクロスへの信奉は、ワロス集団である日本代表に質の改善ではなく、数打ちゃ当たる的な量へのアプローチという発想の転換を与えてくれるはずだ。
■落合博満
日本代表であるならば、やはり密にコミュニケーションを図れる日本人であることが望ましい。しかし残念ながら国内には世界と対等に渡り合えるほどの有能な指揮官が見当たらないのも実状だ。そこで私は邪道という批判を恐れずに、フッボルよりもはるかに知能を要求される先進的スポーツであるベース・オブ・ボールで名将の名をほしいままにして来たオレ流の元三冠王に助けを借りたいと思う。2年前の「サンデーモーニング」に出演した際、今後の監督復帰について「話があれば考えます」と語ったことからも、現場への復帰には前向きであることは窺える。一時はプロボウラーになりかけたことからも球技には万能で、氏にフッボルのルールとコーチを数人授ければ、わずか数日で既存のフッボルにはないオレ流な戦術を編み出し、さっそく地獄のキャンプを始めることだろう。中日の監督時代、選手らに猛練習を課すことを問われた際に氏が放った「選手がヘタっぴなんだから、練習しないと上手くなんないじゃん」という言葉はまさしく日本代表の本質を突く金言だろう。日本人に足らないのは技術やフィジカル、戦術ではない。単純に練習量が足らないのだ。そんな当たり前なことを思い起こさせてくれる氏の慧眼は、日本フッボル界を新次元へと導いてくれるかも知れない。