東京五輪で金メダル獲得を目標に掲げるU-22日本代表に暗雲が立ち込めた。
◇親善試合 U―22日本代表0―2U―22コロンビア代表(2019年11月17日 エディオンスタジアム広島)
東京五輪世代のU―22日本代表は17日、国内初の親善試合U―22コロンビア戦に臨んだ。森保一監督率いるU―22日本代表は、MF久保建英(18=マジョルカ)とMF堂安律(21=PSVアイントホーフェン)が国際親善試合初の同時先発したが、無得点に終わり、0―2で敗れた。
(スポニチアネックス)
前半は何とか耐え忍んだが、後半に失点をするとさらにプレー精度が落ち、続けざまに2点目を奪われては一矢を報いることもできず、そのままノー・オブ・サイドとなってしまった。しかし一見チームでも個でも圧倒されたように見えた試合だったが、高マニア・オブ・ビューラーである私の意見は少し違う。
チームというものは1つのパーツが嵌らないだけでチーム全体のパフォーマンスが瓦解することがあり、昨日のU-22日本代表がその典型例と言えるのだ。
すなわちベンチワーク次第でゲーム展開が激変する可能性もあった中で、0―2になった時点で穴となっていたボランチの中山を引っ込めることができなかった無能な指揮官にこそ、敗戦の主因があるとみるべきだろう。
実際にその夜に行われたベース・オブ・ボールのプレミア12の決勝で、侍ジャパンの稲葉監督は1回に3点を失った山口をすぐに切り、2回から思い切った継投策に出て見事な逆転劇を引き出し、大会の初優勝をもぎ取っている。
U-22代表のコロンビア戦ではたかだか2点の劣勢だったが、侍ジャパンは致命的とも言える3点差を監督の英断とベンチワークでひっくり返しているのだ。この両チームの指揮官の采配を眺め、フッボル人としてその絶望的な差を痛感したのは何も私一人だけではあるまい。
森保監督はA代表との兼任で五輪世代の監督も務めているが、この試合においてその限界を露呈してしまった。それでもJFAが兼任にこだわるならば、いっそのこと侍ジャパンの稲葉監督にU-22を兼任してもらい、勝者のメンタリティーを植え付けてもらってみてはいかがだろうか。