近年の日本フッボル界の躍進の象徴であった本田圭佑が迷走している。
サッカー、オーストラリアAリーグの強豪メルボルン・ビクトリーを退団し、所属先未定の本田圭佑(33)が25日、ツイッターで自らの現状に、疑問を呈した。
すべて英語で「なぜオファーをしてくれないのか? 今でもなお、自分はアジアのベストプレーヤーの1人であると、確信している」と訴えた。
(日刊スポーツ)
今ではイラン戦での衝撃の14―0に特筆されるようにカンボジア代表監督(実質的)という印象が強い本田だが、本人も公言しているように東京五輪を目指す未だ現役のフッボルプレーヤーだ。
既に世間では本田が半ばリタイアしたような意識になっているが、これはボクシングの元WBCバンタム級王者、浪速のジョーこと辰吉丈一郎が未だ世界再奪取を諦めずに現役を続けていることが全く認知されていないのと同じ現象だと言える。
確かに本田もまだ33歳で錆びつくには早く、その商業的価値は他のアジア人選手よりも遥かに健在である。そうであるにも拘わらず彼に獲得オファーが来ないのは、何か他に特別な理由があるはずだ。
そこで私はそのフッボルミステリーを解くべく、いつものように私の高性能なマニア・オブ・ビューを作動させてみた。
するとそのミステリーの解明に繋がる、あるニュース記事が私の目に飛び込んできたのだ。
トルコ代表の選手らが、同国政府の軍事行動を支持する姿勢を示していることが大きな波紋を引き起こしている。イスタンブールで開催される今季チャンピオンズリーグ(CL)決勝の開催を剥奪すべきだとの声も上がり始めた。伊紙『ラ・レプッブリカ』、英『BBC』など各国メディアが伝えている。
(フットボールチャンネル編集部)
文中の「軍事行動を支持する姿勢」というのはピッチ上での敬礼パフォーマンスのことだ。
この敬礼にはトルコがクルド人へ軍事侵攻したことに対する賛意が含まれているとし、それをスポーツという政治的中立の場で披露したトルコ人選手らの行動が問題視されているのだ。
つまり、敬礼パフォーマンスを行う選手には今後何らかの処分が下される可能性があり、クラブ側にとってはそのような選手を保有することはかなりのリスクとなるのだ。
すなわち…
…そういうことだ。
戦力としても商業としても本田を欲するクラブは決して少なくはないのだが、彼の過去の軽率な行動がトルコ情勢と相まってそれを阻んでいるのだ。
どうやら世界情勢さえも本田に背中を向けてしまっているようだ。