ロシアW杯予選での苦い記憶
9月5日に行われるキリンチャレンジカップ2019のパラグアイ戦と、10日の2022年カタールワールドカップ・アジア2次予選兼AFCアジアカップ中国2023予選のミャンマー戦に臨む日本代表メンバー23名が発表された。
<GK>
シュミット・ダニエル(シント=トロイデン)
川島永嗣(ストラスブール)
権田修一(ポルティモネンセ)
<DF>
冨安健洋(ボローニャ)
吉田麻也(サウサンプトン)
植田直通(セルクル・ブルージュ)
酒井宏樹(マルセイユ)
長友佑都(ガラタサライ)
安西幸輝(ポルティモネンセ)
畠中槙之輔(横浜F・マリノス)
<MF>
柴崎岳(デポルティーボ・ラ・コルーニャ)
原口元気(ハノーファー)
遠藤航(シュツットガルト)
伊東純也(ゲンク)
中島翔哉(ポルト)
南野拓実(ザルツブルク)
堂安律(PSV)
久保建英(マジョルカ)
橋本拳人(FC東京)
板倉滉(フローニンヘン)
<FW>
大迫勇也(ブレーメン)
永井謙佑(FC東京)
鈴木武蔵(北海道コンサドーレ札幌)
諸君らはこの選考を見て、移籍して間もないレアル久保建英と堂安律を招集する必要があったのかと不満に思っていることだろうが、ワールドカップ(W杯)予選という真剣勝負の場を舐めてはいけない。
思い出してみたまえ。3年前のロシアW杯アジア最終予選初戦のUAE戦で、W杯最終予選のホームゲームでは1997年以来無敗を誇ってきたはずの日本はまさかの逆転負けを喫し、それがために最後の最後まで本大会出場がもつれてしまったことを。
油断を戒める監督のステルスメッセージ
この一例からもわかるように、国の威信が懸かった舞台では隙を見せれば即致命傷へとなりかねない。
そのことをドーハ戦士である森保監督は肌で痛感しており、今回も代表の選考を媒介として選手やサポーターらへ戒めとも言えるステルス・オブ・メッセージを送っていたのだ。
森保監督は例の如くMF陣の面々にそのメッセージを隠していたようで、さっそく彼らの名前の頭文字をここに抽出していこう。
シ(柴崎)ハ(原口)エ(遠藤)イ(伊東)ナ(中島)ミ(南野)ド(堂安)ク(久保)ハ(橋本)イ(板倉)
そして、これをいい塩梅にシャッフルすると以下のようになる。
ナ、ハ、イ、イ、シ、エ、ミ、ハ、ド、ク
名はいいし、笑みは毒
すなわち森保監督は、例え相手がミャンマーであっても「名はいいし」。つまり国名でフッボルをするわけではないし、と油断を排し、そして「笑みは毒」と笑顔に警鐘を鳴らすことで、強国と対峙するような緊張感と気概を持たせようとしているのだ。
そのシンプルな髪形に負けず堅実な代表運営を行う知将森保。サムライ・オブ・ブルーの唯一の死角であった気の緩みをさっそく正してくるとは、ロード・トゥ・カタールはどうやら一点の曇りすらもなさそうだ。