ボンジョールノ、諸君。
NASAに先駆けてフッボル界から驚くべき発表がなされたようだ。何とこの地球上に既に異星人が住みついていたらしく、その異星人はズラタン・イブラヒモビッチと名乗るそうだ。彼自身が『BBC』の取材にズラタン星からやってきたと衝撃の告白をしたと言う。
イングランド戦のスーパーゴールには名将の啓示があった!?
ハッハッハ、しかしズラタンという男は実に正直な男だ。おっと、諸君らには何のことかはサッパリであるはずだから、少し説明をしよう。そもそも私とズラタンとの関係を紐解くには、2012年のフレンドリー・オブ・マッチ、スウェーデン―イングランド戦に遡らなければならない。
フッボルに関してはイキウマノメヲヌク(生き馬の目を抜く。氏は覚えた日本語を使用したがる)ような諸君らにはその試合がどのようなものであったかはよくご存知であろうが、ズラタンがスウェーデンの全4ゴールを記録し、イングランドを4-2と下したあの鮮烈な試合だ。
その中でも4ゴール目のオーバーヘッドキックはズラタンの生涯最高のゴールとも称されているが、実はそのゴールが生まれた背景に私の檄があったことはあまり知られていない。
あの日、私はズラタンをより深くプロファイリングするために無償でボールボーイを買って出ていた。そして後半のロスタイム、イングランドのGKジョー・オブ・ハートがペナルティ・オブ・エリアを飛び出しクリアしたボールのその落下地点にズラタンが入った時、私は評論家としての中立性を忘れ思わず叫んでしまった。
「ズラタン、フリーだ うてっ‼︎」
するとズラタンは瞬時にトラップの体勢から見事にダイレクトシュートへと切り替え、あの伝説的なゴールが生まれたというわけだ。
後にズラタンはあるユーロペ(欧州)の雑誌のインタビューに「あの瞬間、『うて』という啓示がどこからか降りてきたんだ。俺は今その啓示の主を探している」と語ったことで、テマエミソ(手前味噌)ながら私は関係者に連絡を取り、ズラタンにその正体が自分であることを明かすことになった。
イブラの意外過ぎる素顔
それからズラタンにはフッボルのみならず日本のゲーノーカイ(芸能界)に至るまで様々な情報を提供し、今では家族ぐるみの仲となっている。ゲーノーカイと聞いて諸君らは意外と思われるだろうが、近年のズラタンは日本のアイドル事情に関心があり、つい先日もそのことについて長電話をしたばかりだ。
ズラ「マエストロ(名将)、最近の一押しアイドルはいるかい?」
名将「この頃は目ぼしいものはないが、私の中ではオグラユウコ(小倉優子)が復権を果たしている」
ズラ「オグラユウコ?」
名将「ユウコリンを知らんとは」
ズラ「詳しく聞きたい」
名将「ゼロ年代にこりん星人というキャラ設定で不思議系アイドルとしてブレイクしたが、結婚とともにママタレへとキャラ変えし、離婚を経たことで影のある女性としてアイドル時代よりも魅力が増してきている」
ズラ「コリン星……? こいつはいい! マエストロ、グラッツェだ(ガチャ)」
何がグラッツェだったのかわからなかったが、なるほど、マス・オブ・メディアを煙に巻くためのアイデアを思いついたということだったか。
しかしユウコリンのキャラを丸々パクるとは、もう少しひねらないと日本のアイドルオタクに感づかれるのではと心配していたが、既に私がバラしてしまっているようだね、フフフ(氏のアイドルに対する興味は「80代」に限定されていなかったようだ)。